夏の海で優雅にボート遊びに興じるケアリー夫婦。ふたりは、まるで恋人のように仲の良い夫婦でした。そんなふたりがボートではしゃいでいる時、怪しい霧が襲ってきたのです。その霧にいやな予感を覚えたふたりでしたが、その霧がもたらした恐ろしい運命に気付くまでには、それから半年の月日が流れていました。
ある日、夫のスコットは、自分の体の異変に気がつきました。病院で検査を受けると、恐ろしいことに体が縮んでいることが判ったのです。日々縮んでいく体。そんなスコットをマスコミはニュースではやし立てたのです。外にはマスコミが彼の小さくなった姿を捕らえようと待ち構えています。外にも出られず、ただ縮んでいくスコット。打つ手もなく縮んでいく夫を心配そうに見守ることしかできない妻ルイスに、夫スコットは次第にイライラを募らせていくのでした。
人形サイズまで小さくなったスコットは、家の中に置かれた人形の家で暮らすようになりました。ある日ルイスは、心配しつつもスコットをひとり残して外出しました。ひとりっきりで留守番となったスコットに、どこからか入り込んできた猫が襲ったのです。スコットは追い回され、そして地下室へと落ちてしまいました。幸い無事でしたが、家に戻った妻に自分が地下にいることを伝えることができません。一方ルイスは、家の中に猫が入り込んでいることに驚き、スコットを探しました。しかし彼女が目にしたものは、スコットの血ついたのシャツの切れ端。彼女はスコットが猫にやられてしまったのだと勘違いをしてしまいました・・・
写真を見てください。この写真には階段を下りて来たルイスのハイヒールだけ写っているように見えますが、よく見ると左下の階段の付け根のところでスコットがもがいているのです。水の中から必死に這い上がろうとして右腕を階段の付け根にかけたところです。このシーンで、スコットが絶望的に小さくなった自分に気がつき、元の世界に戻れないことを悟ります。そして物語は、一気にクライマックスへと向かうのです。最後にスコットを待ち受けていたのは、悟りの極地でした。悟るというのは、全てを見切ると言うことでは無く、いかにして歩むかを見切ることだと言えます。生きるということがどういった価値を持つのか、その価値を見つけたのではなく、その価値を見い出す方法を新しい世界に見つけたのです。それはまさに悟りの世界だと言えましょう。