TVの国のアリス

NHKドラマより
山元清多 監督作品

公開日:2000.02.05
更新日:2004.09.17

あらすじ

お父さんは、家路を急いでいた。手には大きなリボンのかけられた箱。電車を乗り継ぐお父さんの手の中で、箱は不思議な光を放っていた。家に帰ると娘が迎え出てくれた。

今日は女の子の誕生日。女の子がお父さんを心待ちにするのは、お父さんと一緒に誕生日パーティーを過ごしたいからだけではなく、その手にあるお父さんからのプレゼントにもあった。そして楽しいパーティーが始まった。女の子がケーキのキャンドルを吹き消したとき、うさぎの時計が午後の7時をさしていた。

突然、うさぎが走り出し女の子のためのプレゼントを持って逃げ出した。女の子は取り返すため追いかけると、うさぎはおもちゃ箱の中に消えてしまった。女の子も追いかけておもちゃ箱の中に消えていった。

そこは不思議な世界だった。女の子がうさぎを追いかけるには合言葉が必要だった。

「わたしはアリス」

小さな部屋に入ると、女の子はみるみる大きくなって部屋の天井を突き破ってしまった。

大きくなった女の子は、しばらく街の中を歩き回るがなんだか悲しくなってしまった。泣き出した女の子の体は、こんどはみるみるうちに小さくなってしまった。小さな女の子の目の前に、大きな空き缶が。そう、女の子は空き缶より小さくなってしまっていたのだった。


解説

この作品の原作は、タイトルからお判りの通り「不思議の国のアリス」。現代版不思議の国のアリスを狙って制作された作品。

原作ではアリスをこよなく愛する気持ちであふれているが、この作品からはそういった愛情はあまり感じられない。これは、この作品に限らず現代版不思議のアリス作品全般においていえる傾向である。原作がことば遊び的会話を中心とした作品であるのに対し、現代版アリスの多くが不思議な体験の演出を中心にしているものが多いが、この作品も漏れず不条理な世界をメインに置いている。

アリス役は、F1レーサーのジャン・アレジと結婚した後藤久美子氏。うさぎの声には笑福亭鶴瓶氏。笑福亭鶴瓶氏の演じるうさぎ役の声に、アリス役の後藤久美子氏を包み込むようなやさしさがあり、そのあたりが他の現代版アリスと比較してほのぼのした作品に仕上がっている。

TVの国のアリス

監督 山元清多
制作 宮田修
音楽 大貫妙子
CG 宮垣李里、鈴木鎮男
出演 後藤久美子、笑福亭鶴瓶
編集 NHK
ビデオ発行 NHKサービスセンター
販売 日本コロンビア
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