第五の書の翻訳がようやく完成したようなので、この第一の書から読み出した次第。
時は、ハプスブルク家のカール5世とヴァロア家のフランソワ1世がイタリアをめぐって争いをしていたころのお話。
「うんち之助に、びちぐそくん、ぶう太郎に、糞野まみれちゃん、きみたちのきたないうんこが、ぼたぼたと、ぼくらの上に、落ちてくる。ばっちくて、うんこだらけの、おもらし野郎、あんたの穴がなにもかも ぱかんとお口を開けたのに、ふかずに退散するなんて、聖アントニウス熱で焼けちまえ!」
いいね、この言葉遊びの巧みさ、旧渡辺訳にはない現代言語の感覚!
前半はこんなうんこ話とおもらし、おなら騒動が続くけど、田舎者同士の小競り合いが発端となったピクロコル戦争あたりから、話は急に真面目になってくる、なんでやねん!って感じ。でもそこはそれご愛嬌で、戦争に勝てば、これまた阿保な話がくりかえされるので、ひと安心・・・・
修道女と姦淫した者は、勃起したまま死ぬという当時の都市伝説・・・・
女子修道院に入れられるのは、片目か、びっこか、せむしか、ブスか、できそこないか、狂女か、くるくるぱあか、不具者か、奇形と相場は決まっていた・・・・・と、もう言いたい放題!
で、これだけ言いたいことを言ったからかどうか、最後は罪滅ぼしにバカでかい修道院を造っちまうんだな、このガルガンチュアという男は。

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ガルガンチュアとパンタグリュエル 1 (ちくま文庫 ら 5-1) 文庫 – 2005/1/1
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ガルガンチュア
- 本の長さ508ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2005/1/1
- ISBN-10448042055X
- ISBN-13978-4480420558
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2005/1/1)
- 発売日 : 2005/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 508ページ
- ISBN-10 : 448042055X
- ISBN-13 : 978-4480420558
- Amazon 売れ筋ランキング: - 396,853位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 553位フランス文学研究
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- - 643位ちくま文庫
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- 2024年1月28日に日本でレビュー済みフランス・ルネサンス文学を代表する作家フランソワ・ラブレーの傑作大長編、待望の新訳版。この巻では、巨人王ガルガンチュアの誕生・成長と冒険の数々、さらに戦争とその顛末が、笑いと風刺を織り込んだ密度の高い文体によって描き出されてゆく。現代的センスあふれる清新な訳文から、不朽の物語の爆発的な面白さと輝かしい感動が楽しく伝わってくる。
- 2019年6月9日に日本でレビュー済みAmazonで購入この年代の物語にしては読みやすく訳されています。しかし内容は「壮大なほら話」と訳者が後書きでも書いている通りだと思います。2巻のパンタグリュエールの方から読み始めた方が良かったかなとも思いました。ルネッサンス文学の範疇に入るのでしょう。物語自体の面白さは少ないかなとも思います。ただ読んでおくと他の本を読んだときにいいなと思って読みました。ガルガンチュアというと美食(グルメ)の代名詞なので読んでおきたかったです。
- 2013年1月28日に日本でレビュー済みAmazonで購入まだ読み進んでませんが、著者が本書を書かれた当時の内容に興味津々です。
- 2014年11月27日に日本でレビュー済み『ガルガンチュア』『パンタグリュエル』『第三の書』『第四の書』『第五の書』を読了。長かった・・。
ラブレーはフランスのルネサンス頃の作家(本業は医者)。作中ではローマ教皇を風刺したり、民俗を揶揄したり、話があちらこちらに飛んだりと、荒唐無稽な物語となっている。”うんこ”、”たまきん”、や女性のそれなど。下ネタが結構出てくる。
ラブレーにより、書かれた順序は、『パンタグリュエル』『ガルガンチュア』『第三の書』『第四の書』となっていて、ラブレーは『第四の書』を出した翌年に亡くなるのだが、版元などにあった草稿(があったとして・・)纏められて、死後に出されたものが『第五の書』となっている。ガルガンチュア、パンタグリュエルときて、道化的な役割のパニュルジュが、話が進みにつれて中心的な存在になっていく。
1巻目『ガルガンチュア』はグラングジェの息子ガルガンチュアの成長物語。グラングジェがいかに息子のガルガンチュアを教育したのか。幼年時代にありとあらゆる、お尻のフキ方をガルガンチュアが試すことで、聡明さがうかがえる。ガルガンチュアはパリにも留学。ノートルダムの鐘を持って帰る。また、後半は、村人同士の言い合いから隣国との戦争にまで発展する。平和裡に解決しようとするグラングジェの試み空しく戦争が続き、留学から戻ったガルガンチュアとジャン修道士の活躍が書かれている。
2巻目の『パンタグリュエル』はガルガンチュアの息子パンタグリュエルの物語。パンタグリュエルの冒険、勉学を積んだパンタグリュエルは、パリで評判となる。後の巻でも活躍するお調子者のパニュルジュが登場し、貴婦人に告白し続けた挙げ句に、振られ続け、意趣返しをする様子が面白い。
巻末に『ガルガンチュア年代記』があり、パンタグリュエルの父親ガルガンチュアの家系や生い立ちが記載されている。アーサ王の伝記も絡めてある。
『第三の書』は、戦争が終わり平和な時代となり、パニュルジュは領主となるが財産を使いすぎて借金まみれとなる。パンタグリュエルは部下をなんとか助けようとするが、借金を負うことで人間関係を切れ目なく続けることができるというパニュルジュの持論を延々聞かされる羽目になる。また結婚をしたいと考えるパニュルジュは、妻を他人に寝取られるのではないか等の心配で、結婚に前向きになれない。(というか、相手もいない)”たまきん”という言葉がたくさん出てくる。様々な占いをした挙げ句に結論が出ず、「聖なる酒びん」のご託宣をいただきに、パンタグリュエルと仲間達と一緒に航海に出る。
『第四の書』は航海を続ける一行の、様々な島での経験談。パニュルジュとジャン修道士の掛け合い。航海の途中、パニュルジュが恐怖のあまり、うんちを漏らして、「さぁ、みんなで飲もう!」と言って終わる。
『第五の書』は、唐突に終わった(と思える)『第四の書』の続編。様々な島を経て、神託を得るまでの話。図版『パンタグリュエルの滑稽な夢』が収録されている。ブリューゲルの絵に出てくるような、奇妙でグロテスクな人物が多々描かれている。面白い。
翻訳がとても大変だったことが窺える。
ルネサンス当時の活き活きとした雰囲気や、一方で、宗教弾圧等の不寛容さの時代へ移り変わっていく危機感。風刺が何を表しているのか、学問として読むとエライことだと思う。
何も囚われずに、単純な読み物として読んでみると、天真爛漫でお下品な登場人物ばかりである。戦争のシーンは、マンガ『進撃の巨人』や『ナウシカ』の巨神兵バリのダイナミックさで圧倒的な強さである。
ツッコミ所としては、パンタグリュエルもガルガンチュアも巨人なのに、普通の背丈の人物と問題なく会話をしているのが、不思議。物語だから許されるのだな。
- 2006年5月31日に日本でレビュー済み我が国においてラブレーと渡辺一夫はほとんど切っても切れない関係にある。ラブレーといえば第一に渡辺一夫。渡辺一夫といえばラブレー。渡辺一夫は、和漢古典の豊富な学殖をもって、ラブレーの諧謔を余すところなく伝えた。渡辺一夫のラブレー翻訳は日本翻訳史上の金字塔である。しかし、渡辺の訳は難しい漢語を用いたりして、学識ないものを突き放してしまっている所がないではない。
かくなる現状で、新訳をたたきだした宮下氏の意義は、はたして大きい。氏のラブレーはとにかく読みやすく親しみやすい。私のごとき浅学には、渡辺訳よりも却ってラブレーの文章が生き生きして見えた。とにかく可笑しく、面白い。笑う。ラブレーって面白いな。そう思うことが出来た。
渡辺訳と宮下訳の学術的な、また文学的な優劣は私には絶対につけられない。しかし宮下訳の現代的意義、これは絶対にある。
- 2005年2月6日に日本でレビュー済みあまりにも「渡辺一夫氏の翻訳」というイメージが固まってしまっている本作の新訳に臨んだだけでも表彰状ものだと思います。本屋で見て驚きましたもの。おかげでこれから当分は楽しみが続きます。
- 2022年9月12日に日本でレビュー済みAmazonで購入青空文庫などでも読めるが、やはり解説が充実していると理解しやすい。ガルガンチュアを一巻とするのも当たり前でないと知ってビックリもした。また、パニックという言葉がラブレーの造語だというのもびっくりした。