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下記のメッセージを削除しますタイトル:思春期の少年の心の世界・3
投稿者:笛地静恵
投稿日:2011-04-06
メッセージ:
【ここから、先は「ネタばれ」をふくみます。未読の方は読まないでください。】
30・各種のデバイス(装置)は、少年の思春期を終わらせるために置かれていました。その役目を終えた時、ガール・デバイスは、死んでいきます。それが、少女のデバイス(たくらみ)でした。
31・壮大なカタストロフが訪れます。
32・しかし、これで、終わりではありません。
33・この物語の最後に、激しい喪失感を抱かれた方は、作者の杉山実さんのHP『ミノルランド』の訪問を、ぜひおすすめします。
34・そこでは、あのぬいぐるみたちが輪廻転生したキャラクターが、自由奔放に楽しく活動しているからです。
35・作者は、多彩な面を持っているようです。子供向きの仕事のあたたかさには、心がほのぼのします。良き父親としての側面が伺えます。

36・思春期は、須臾に過ぎ去ります。蛹は蝶にならなければなりません。
37・思春期を終えて青年期が始まります。一人の女性への愛へ向けて歩み始めます。
38・性の嵐も始まります。自我という卵の薄い殻であった自尊心だけではすみません。自我そのものをズタズタにされる体験が訪れます。
39・ぬいぐるみの長老の鼻の形は、あからさまに、子どもの包茎のペニスの形をしていました。地下の街にも、屋根の上には、大砲が並んでいました。
40・思春期の子どもたちと接する機会の多い親御さんや、学校の教師や養護教諭の方々にも、読んでもらいたいと思いました。
41・思春期の少年の心の風景が、鮮明が描かれている物語だと思うからです。たとえば、116頁の学校の不気味さはどうでしょうか?
42・「学校に決まってるじゃない」と言われても、これは幽霊屋敷か監獄です。こんな恐ろしい場所に、行けるはずがありません。登校拒否になって当然です。
43・不登校になった少年の心が見ている学校の風景だと思うのです。
42・内面の激しい戦いの克明な記録でもあります。
43・『ガールデバイス』は、思春期という生きるのに困難な季節を描いた傑作です。

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