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:『6年おとな組』の姉妹編
2010-03-14 10:10:09
By:笛地静恵
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四年ぶりに帰省してみると、妹が身長3メートルぐらいの巨人に変身していた。この地区では、女子生徒達の原因不明の巨大化現象が起こっていたのだ。

あの名作「6年おとな組」の姉妹編というところ。あの作品がお好きならば、880円という出費は、けして高くありません。

 町の地下に、巨大温泉のような共同浴場があるという設定が秀逸。その風呂に下りていく兄と妹。


 水面を泳いでいる巨大な正体不明の生物の背中。たちあがって女だと主人公のお兄ちゃんにわかるところ。

 この肉感的な唇の少女がいいのです。

「裸を見られて恥ずかしくねーのかよ」

視線を逸らすお兄ちゃん。

「あたしが・・・」

淡々としたもの。

逆に。

「獲物はむしろそっち」

ずんずんと近寄ってくる。巨体にものをいわせて追いつめる。

いきなりのキス。顔半分を呑み込まれる主人公。

 彼女とお兄ちゃんと守ろうとする妹との、三メートルの巨大少女同士のバトル。海上での二頭の怪獣の激突のよう。荒波を蹴立てて。

もう一つの「萌え」は、今では大西洋の黒マグロと同じく、絶滅危惧種に指定されているブルマへの愛着。巨大化とともに、性欲も増大しているという設定がミソ。この町と魅惑的な巨大少女たちで、連作短編が可能だと思います。続編を期待したいところです。さげんさんに賛成です。


全体に、一昔前の、古き良き時代の少年漫画の味わいがあります。「アダルトシーンの締める割合が比較的少ない作品」という作品内容に対する、明白な雑誌の編集方針のためもあるでしょう。一切の小細工を廃して、優れた作品のみを、白い美しい用紙と堅牢な造本で見せてくれます。

その姿勢には、好感が持てます。他の青年漫画雑誌の騒々しさ、けばけばしさとは性質が異なっています。年四回発行の季刊誌というスタンスも独特です。笛地は、ロリコン漫画で有名だった千之ナイフ氏の女体の描線、特に乳房の繊細な表現に見せられました。線だけで、手に触れた時の少女の器官の、柔らかさとぬくもりを感じさせてくれます。


各漫画家の線の妙技の競演を、素直に楽しむことができます。もうあまり漫画を読まなくなったという中年以上の方々にも、お勧めしておきます。



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