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:リチャード・マチスン『縮みゆく男』新訳刊行!
2013-09-02 13:10:21
By:笛地静恵
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『縮みゆく男』リチャード・マチスン/著
本間 有/訳
2013年9月13日 第一刷 刊
扶桑社
876円+税
待望の新訳である。訳者のご逝去によって未完成の状態であり、刊行はされないのだろうと考えていた。
嬉しいことである。
小島秀夫氏のツイッターで、初めて知った。
全体の印象として、会話が以前より生き生きとしている。
「はっきりいったらどうだ」と、スコットは切りだした。「いってくれよ、頼むから。いって、すっきりすればいい」31頁
「よくも大事なところを痛めてくれたな。だんだん腫れてきたじゃないか、え?」109頁
「こいつ縮みあがってやんの。そんじゃ遠慮なく」175頁
「『縮みゆく男』あとがき」デビッド・マレル。「訳者あとがき」。町山智弘氏の「解説」の三篇が付く。
400頁余の文庫で、40頁分はある。DVDに特典映像がついているようなものだ。かなりの、お得感がある。
旧訳を持っている方も、買い直して損はないだろう。
ただし、マレルの「『縮みゆく男』あとがき」の部分に、単純なミスがある。
「ドールハウスで暮らすようになると、妻は「もしかしたら、抱っこしてもらえるのかしら、というように、足を投げだし、手をなかば持ち上た女の人形をもってきて」379頁
本文に「その日の昼間に、べスが人形を持ってきてくれていた。べスは人形をドールハウスのポーチにおいていった。」308頁とある。
人形を持ってきたのは、妻のルイーズではなくて、娘のベスである。明らかに誤りである。誤植かマレルの事実誤認かはわからない。
この部分は、訳者の本間有氏が、2009年12月に他界されている以上は、編集か校正の段階で、修正されていなければならない。本文と照らし合わせれば、すぐにわかることである。
次回の訂正を期待する。
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