望月祐一 作品
公開日:2006.12.07
更新日:2006.12.07
■あらすじ
寄道 進(よりみち すすむ)。中学2年生。ネコ耳の宇宙人ミリちゃんが居候しているのを除けば、ごく普通の中学生。ミリのお陰でトラブル続き。飽きる事の無い日々を過ごしていた。
ある日、進の家に遊びにきた幼なじみのナギサ。どこでも好きな時間と場所を選んでいけるミリの機械に興味を持った。ナギサは一度パリに行ってみたいと思っていた。
「んじゃ、ワシと行こうぜ!」
「進くんと?」進の発言にナギサは言った。
「そうね、足がもうちょっと長かったらね。」
「なっ、ミリ。なにか足長くする薬でもないか?」
安易にミリの薬に頼る進。それに応じて薬が出てくるところがミリの凄いところ。薬を足に垂らすと早速ききはじめたが、人間離れした異様な足の長さになってしまった。
「これじゃあムリね。わたしひとりで行ってくるわ。」少し顔がほころぶナギサ。
「ニャア、じゃあ進はわたしのものョ。わたしの星にきてケッコンしましょ。」
満面の笑みのミリに対して、ちょっと嫉妬したナギサは・・・
「オチビちゃんのくせに、すごいこというのね。」
そのほとことが争いの元だった。背の高さも言い争いも、ナギサに勝てないミリ。背の高さを求めて進に使った薬を飲んでしまった。
家を壊して巨大化するミリ。嫉妬心に火がついたままのナギサは、それを見て後先考えずに薬を口にした。
ナギサは着ていた服を裂きながら巨大化した。巨人になったふたりが騒ぎにならないうちに収める方法を考える進。しかし進の心配とは裏腹に、巨大化した自分が楽しくてはしゃぎまわるミリだった・・・
■巨大娘ミリ
ミリちゃんの話はこれが第2話ということになります。しかし前作の資料が無く残念ながらミリちゃんの素性は良くわかりませんでした。
少なくともこの話では、地球人ではないミリは、常識で行動をしません。まあ当然と言えば当然ですね。子供の上に見た目の可愛さも相まって、たとえ自由奔放な行動が周囲に迷惑をかても、可愛さを増すようです。
巨大化した後もミリちゃんの奔放ぶりは変わりません。怪獣のような大きさではありますが、その可愛らしさにも陰りはありません。当然目立ちますから、野次馬やら警察やらやってきますが、それがミリちゃんにとっては楽しいようです。地球人ではないのですから、巨大なミリちゃんにとっては小人国かおもちゃの国に遊びにきたようなものです。
低い目線に慣れている子供は、大人に肩車してもらうと、普段とは違った目線の変化が楽しくなるものです。町並みを見下ろせるほど巨大になれば、相当楽しいに違いありません。
■作品解説
ミリちゃんの楽しそうな様子は絵から良く伝わってきていると思います。実際、話のテンポも良いこともあって、読んで楽しい作品です。この作品に対する作者の入れ込みが良く伝わってくる作品でもあります。いくつかのコマを作品中から抜粋いたしましたが、紹介したコマに限らずどのコマをとっても丁寧に描き込んであります。
望月祐一氏はコミックボンボンで1981年11月号からの連載作品「マキとキャル」で知名度を上げた作家です。マキとキャルの連載開始時期と本作品の掲載時期が近いこともあってか、マキとキャルと本作品を比べてみると共通点が多く見られます。人類ではない特殊な能力を持った女の子が、普通の男の子の家に居候。マキのミニスカートからちらり見えるパンツに、いちころにされた小学生がごろごろいたとか。お色気のあるところもミリとの共通点です。
望月祐一氏の作品は。現時点で単行本化されていないのがとても残念です。
■少年マガジン増刊 昭和56年11月6日発行
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