劇画/満華の章

たつみひろし作品

あらすじ

T美竜様より最良質の「男」として認められた私は、「騎乗院」総本部玉座堂へ入る為の拝礼儀式「三味の洗礼」を受けることになりました。ここからが本当の修業の始まりだったのです。

三味の洗礼とは、聖水の股門、帶下の股門、経血の股門をくぐることでした。

股門。それは、女性の股のことです。身の丈が6mはあろうかという女性達が3人仁王立ちで立っているその股のがまさしく門のようになっていることから、そのように呼ばれているのです。そして股の間をくぐるとき彼女達は、股下をくぐるものに聖水、愛液、経血を浴びせるのです。

三味の洗礼をくぐり抜けたものだけが、玉座堂に入れるのです。そしてそこに男の自由というものは全くありません。身も心も全ては女性のためにあるのです。厳しい修業ではありましたが、それは男にとってこの上ない無上の快楽でもありました。

無上の感情。それは言葉で説明することは出来ません。数ヶ月の修業の中で、ある日突然目覚めるのです。

修業。それは傍から見れば拷問のように見えるに違いありません。女性に踏みつぶされたり、尻の下に敷かれたり、呼吸法を覚えるために、女性の肛門に顔をうずめ、空気の代りに「おなら」だけが吸えるという苦行を行うのです。

しかし、それはこれから先、行う修業の始まりでしかありませんでした・・・

解説

スレイブ通信といえば、真性のSM雑誌です。SMというと女性がSで男性がMとうパターンであるとは限らないのですが、こういった話のほとんどが、女性上位のパターンを取るのがほとんどのようです。このような話が生まれる背景に、社会的に性差別があったからなのだと思います。

太古の昔、シバ神に代表されるように、女性が全てであり、生み出すことができる唯一のものであったとき、形式的にはどうあれ、実権を握っていたのは女性だったとする説が多いようです。それが本来の人間の姿、動物としての本能をもった人間の正しい姿だとすると、本能的に女性上位を求めるのは仕方のないところでしょう。それが、社会的に封印された結果、極端な行動として女性上位のSMがあるのかもしれません。

この作品は正直に、その欲望を吐き出していると言えます。そして女性上位の別な見解が「家畜人ヤプー」にあり、少し現実に近いところにこの作品が位置づけることができます。とは言え、異常に巨大な女性達ですね。これは、女性上位という概念をストレートに絵で表現した結果だと言えると思います。

フロイトによれば巨人は母親の象徴ですから、幼児期に母親との間で何らかのトラウマを持ったとすると、こういう形で願望が生まれてくるかもしれません。母としての巨人、そして本能から見た女性というのは、こういう姿なのかもしれません。

いずれにせよ、この作品が煩悩むき出しの、力強いパワーを持った作品であ流ことに違いありません。そして、このパワーに触れたために、別の世界に入ってしまった人がいるかもしれません。

Published : 2000.02.06
Update : 2004.09.17

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