魔法使いサリー

第76話 ポロロン天使/第77話 小さな魔法使い

原作:横山光輝

第76話 ポロロン天使

ポロンの得意な魔法は小さくする魔法だった

人間の世界で暮らすサリーは、魔法の国の王女様。しかし人間の世界で暮らすうち、日に日に魔法を使わなくなってしまった。これは魔法の国を将来背負う王女としては大問題。ということで、お目付け役にじいが派遣されることになったのだった。

ところがじいが乗るはずの流れ星が何者かに盗まれてしまったのだ。

翌朝、カブが家の裏で流れ星を発見する。サリーにはそれがじいの乗るはずのものであったことが直感的に判った。後ろを振り返ると、家に新しい窓が。覗いてみると小さな女の子がベッドの上で寝ていたのだった。

この小さな女の子はポロンという名前の魔法使い。ポロンの得意な魔法は、ものを小さくする魔法だった。ポロンの部屋には小さなタクシーが。なんとそれは、よし子の父の乗務するタクシー。ポロンが父を乗せたまま、魔法で小さくしてしまったのだった。

第77話 小さな魔法使い

巣穴を目の前にして躊躇するサリーの後ろにポロンの巨大な指が...

ポロンのいたずらは終わらなかった。電車が忽然と消えた事件がニュース番組で流れていたのを見たサリーとカブは、ポロンの部屋で小さくなった電車を発見した。ポロンのいたずらがエスカレートするまえに、ポロンを教育しないと大変なことになる。

そのころポロンはよし子の家に遊びにいっていた。ポロンはよし子が大好きだった。3つ子の弟がよし子にいたずらをするのを見て、小さくなる魔法を3つ子にかけてしまった。しかも悪い事に、小さくなった3つ子はアリの巣穴に落ちてしまったのだ。

サリーは3つ子を助けるために、ポロンに自分を小さくするようにいった。そしてポロンの魔法で小さくなったサリーは、自らアリの巣穴にはいっていった。

解説

サリーちゃんのシリーズはリメイクされていますが、これは初代のシリーズ挿入話です。初代のシリーズは、全体的に元気がありました。そうした快活な雰囲気が、人気となって現れた好例なのが、この作品です。主題歌がデキシーランドジャズというのもオシャレでした。

このシリーズには多くの魅力あるキャラクターが登場します。シリーズ半ばに新しく加わったのが、この挿入話でのキーキャラクターであるポロンちゃんです。

ポロンちゃんは、魔法の使えない人間を見下しているところがあって、それが登場まもないころ大変な騒ぎを起こすことになる訳です。特に人間を玩具のように扱うあたりが、挿入話「ポロロン天使」でよく表現されています。そうしたポロンちゃんも、人間社会で暮らすようになって、少しづつ人間との協調性を増していく辺りが、微笑ましい話にまとまっていました。実は、これはある事実の伏線でしかすぎず、その伏線が思いもよらないポロンちゃんとの別れにつながっていくのです。

ところで、カブちゃんも、巨大化したり縮小化したりする話があるので、いずれそちらも紹介したいと思います。

Published : 1999.06.28
Update : 2004.09.17

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