性獣美少女ヒロミちゃん

単行本「スーパー留美ちゃん」より

桐立のぼる 作品

あらすじ

「あの・・・キュウリください。」

八百屋の店先で、かぼそい声がした。店員の青年が声の方を見ると、一人の少女が立っていた。かわいいと青年は思った。

「ウチのはどれも新鮮で大きいよ。」

そう言いながら青年は、特別新鮮なのを選び出そうとした。

「・・・ほそくて、やわらかいのがいいんですけど・・・」

少女はうつむきながら、青年に向かって言った。青年は不思議に思いながらも、少女の希望のキュウリを選んで渡した。青年がキュウリを渡したとたん、少女は逃げるように店の前の公園に駆け出した。何だか放っておけず青年は少女の後を追った。

「じつはあたし・・・宇宙人に改造されちゃったんです。」

突然の告白に青年は驚きつつも、その後の少女の言葉に耳を傾けた。少女は宇宙人にさらわれ、スーパーヒーローとしての改造を受けてしまったというのだ。そして、変身するたのスイッチを体のある部分に取り付けられ、そのスイッチを押すためにキュウリを買ったのだという。

折しも、宇宙怪獣が現れ街を破壊し始めた。少女はけなげにも身を挺して怪獣と闘うという。それならば・・・

「わかった。オレが変身させてやる。」

青年は少女の決心に、自分も協力しなければと思った。そして・・・

解説

ネタ自体はエッチなのですが、作品の仕上がりはそんなにエッチではありません。かといってシリアスでもありません。もし、この作品で少女が巨大化しなかったら、面白くも何ともないかもしれません。逆に言えば、この作品で少女の巨大化は重要なファクターだとも言えます。こういったネタをさらりと流してしまうところが、桐立のぼる作品の特徴です。

宇宙人の手によって改造され巨大化能力を身に付ける話なのですが、巨大化の為のスイッチが体に取り付けられるというアイディアは他にない。大抵巨大化のトリガーとなるものは、アイテムだったり呪文だったりするのです。スイッチだと間違って押されてしまう可能性があるため、採用されないのでしょう。そのためこの作品では、触りにくいが押そうと思えば押せる場所に巨大化のスイッチが取り付けられています。で、なぜかボタンを押すために主人公が選んだ道具がキュウリ。何もキュウリでなくても押せるのではないかと思えるのですが、何やらもっともらしいことを言う主人公です。

さてこの主人公ヒロミちゃんは、普段はおとなしい女の子なんですが、巨大化した途端にはつらつとした少女に変わります。おかげでヒロミちゃんの足もとは大混乱。はた迷惑な巨大ヒロインは、かかせないシチュエーションのひとつのようです。

単行本について

単行本「スーパー留美ちゃん」に収録された作品より、本編をあわせて3作品を当ライブラリで紹介しています。

Published : 2000.02.03
Update : 2007.01.13

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