ミステリーゾーン(原題:The Twilight Zone)

第150話 連れて来たのは誰?(原題:Stopover In a Quiet Town)

脚本 : ロッド・サーリング

あらすじ

朝、いつものように夫のボブを起こすマリー。起き上がったボブは、なんとスーツ姿。寝巻きに着替えずに寝込んだ夫を避難するマリー。ところが、自分自身もドレスのまま寝ていたのだ。二人がいる寝室を改めて見回すと、そこはニューヨークの自宅ではなかったのだ。昨夜のことが思い出せない二人。気を取り直して電話を探した。

ボブが受話器を取ると、受話器どころか電話器ごと持ち上がった。受話器と電話器は一体で作られていたのだ。配線すらされていない作り物だ。それどころか、家にあるものは全て作り物で、機能しないものばかりだった。気味の悪くなった二人は屋外に出てみた。

誰もいない街。樹木や庭の芝生、木の枝にいるリス、通りに止めてある自動車。どれもが作り物。本物ではなかった。歩き回る二人の耳に、時折聞こえてくる女の子の笑い声。しかし姿は見えない。いらだちながらも、二人は駅を見つけた。

列車に乗った二人は、これで無気味な街を出られると、ほっと一息。しかし列車は同じところをぐるぐると回るだけだった。街には人がおらず、その街からもでることができない二人。再び無人の街をさまよう二人の頭上に現れたのは、巨大な手だった・・・

解説

この話をここで取り上げること自体が、どのようなオチなのかネタ晴らししているようなものですね。なので遠慮なく話をしてしまいます。

巨人のように登場する女の子。でも実は女の子は巨人などではなく、主人公たちがおもちゃの街に合うまでに小さくされていたという訳です。そして実際に彼らを待ち受ける未来は、女の子のおもちゃとしての生活なのでしょう。そういった人間としての尊厳を失わせる未来への予感が、恐さとして見るものに与えるのです。・・ええっ?!羨ましい?・・・ま、中にはそういう方もいらっしゃるでしょうけれど、一般的には背筋の凍る話なんですよ。

ミステリーゾーンというシリーズでは、こうした恐ろしい未来の予感で終わる話が多いですね。たぶんこのシリーズの大半の脚本を手掛け、そしてこのシリーズそのものをプロデュースしたロッド・サーリング氏の趣味なんでしょう。

ミステリーゾーンについて

原題は「The Twilight Zone」で、全部で156話にもなる世界的人気のテレビ番組でした。監督で有名なスティーブン・スピルバーグ氏が熱愛し、リメイクしたことでも有名ですが、日本での影響力も大きいシリーズです。

例えば、森田一義氏の「世にも不思議な物語」は、明らかにミステリーゾーンのスタイルそのものです。ミステリーゾーンでは、ロッド・サーリング氏が番組の案内役として場面に入り込んできました。そうした手法や話の作り方、そして演出法法もミステリーゾーンを見ていた方なら懐かしく思うほど同じです。

また、円谷プロダクションが製作した「ウルトラQ」は、ミステリーゾーンを意識して製作されています。もっともこちらは、怪獣の登場する回が人気が高かったことから、シリーズ後半では円谷謹製怪獣シリーズの様相となりました。しかし、和製ミステリーゾーンを目指していたのは間違いのない事実です。

Published : 2003.02.19
Update : 2004.12.08

Twilight Zone Vol. 31

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