突然現れた巨大ロボット「プリンス オブ ウェールズ」は、そのまま正面にあった学校を押しつぶした。ひとり逃げ遅れた早田知世は、瓦礫の下敷きになるところを宇宙人に助けられれた。そして地球のピンチは地球人の力で立ち向かうべきだといわれ、巨大ロボットに立ち向かうことができる力を与えられた。そして知世は巨人となって巨大ロボットと戦うのだった。
(c) ふじたゆきひさ
解説
読めば分かるウルトラマンのパロディ。しかし、それだけではつまらないので、もうひと工夫あります。そして、ウルトラマンが女の子だったらいいなあという、作者の気持ちがにじみ出ている作品です。ふじたゆきひさ氏ご自身は、ウルトラセブンがお気に入りのようで、ウルトラマンのパロディでありながら、ウルトラセブンの相手役であるキングジョーのようなロボットが相手になっています。ウルトラ史上最強ロボットのパロディが登場するあたりは、怪獣よりもメカ好きな、ふじた氏らしい演出でもあります。
ウルトラマンはパロディにしやすいと見えて、ウルトラマンパロディだけで本が何冊も作れるほどありますが、人間がそのままの姿で巨大化する作品は意外と少ないのです。そしてこうしたウルトラマンのパロディ作品を集めてみると、そのままの姿で巨人になる話には、女性が多いことに気がつきます。どうせ巨大化させるなら、女性の方が絵になるということでしょうか。それとも、作家の方の趣向なのでしょうか。もしかすると、市場動向としての需要なのかもしれません。
ところで、ふじたゆきひさ氏といえば、1980年代後半のプラモデル愛好家ならご存知でしょう。田宮模型から一時期販売されたマンガ小雑誌「タミヤコミックス」や同社のチラシ、また模型専門誌を中心に掲載された「プラモのモ子ちゃん模型講座」などを手がけた作家の方です。当時田宮模型のプラモデルを買うと箱の中に、ふじた氏の描いたチラシや年賀状が入っていました。
Published : 2000.02.06
Update : 2004.09.17
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