戦艦と海の詩

谷崎てつや作品

あらすじ

ネオ・ジャポネスクの海は騒がしかった。戦艦や空母が入り乱れて戦闘を繰り広げていた。

ネオ・ジャポネスクの超弩級戦艦グレート・エンペラーは海神マリーナの庇護の元、今日も連戦連勝を続けていた。

船を沈めるマリーナ

海神マリーナの楽しみは、大きな船が沈むこと。沢山の人間を海底に引きずり込んでは喜んでいた。だからこそグレート・エンペラーは連戦連勝を続けることが出来るのだ。しかし講和を求めてきた船を沈めたころから、マリーナとグレート・エンペラーの関係は崩れはじめた。

作品解説

正義の使途や崇高な考えというのは、実は自分本位な考え方に他なりません。時には周囲に迷惑なこともあるのですが、本人が正義を信じているだけに面倒なのもです。そうした人物がカリスマ性を持っている時が、一番たちが悪いかもしれません。とくに目的を選ばず実力行使をするタイプの人物の時は、最悪と言えるでしょう。

作品はブラック仕立てのコミカルストーリーです。海神マリーナの行動を恐怖と感じる読者はいないと思います。それでももし実際にこんな海神が現れたら畏怖の念を感じるに違いありません。巨大で無敵な上に、気まぐれな面を持ち合わせています。まあ神様というものは助けてくれる時は非常に心強い味方なのですが、助けてくれない時にはその存在すら呪いたくなる存在です。きっと神様には神様の事情があるのでしょう・・・おや? ということは気まぐれなのは神様ではなくて、人間の方ということになりますね。このあたりをさらりと書き上げた作品です。

Published : 1999.05.31
Update : 2004.09.17

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