正月のひととき、阿素子は書き初めに干支の龍をの滝登りを書いていた。しかし、あまりにひどい竜だった。
「ヒトをムーミンみたいに描いておいて…」
あまりのひどさに、龍が絵の中から飛び出てきた。
「こんなんじゃ恥ずかしくて人前に出られない」
怒りにまかせて出てきた龍を阿素子はなだめすかし、一夜の床に…姫始めをもくろんだ。しかし阿素子がナニを書き忘れたので、ことを起こそうにもできなかった。一計を案じた阿素子は、部屋一杯に敷いた紙にナニを書き込み、それを龍に付けてことを始めようと考えた。
「こんなもんでいいかな」
ところが阿素子がナニを書き終わると、ナニだけが勝手に天に昇り始めたのだった。阿素子は龍の背に乗ると、ナニを追いかけて雲の上へと昇っていった。
雲の上の世界でナニを見失ってしまった阿素子だが、雲の上の城に巨大なナニを持った巨人を見つけたのだった…