本郷タカシは料理が好きだった。もちろん食べるのも作るのも。今日は母の帰りを待ちながら、カップケーキを作っていた。その匂いに引かれてか、どこからか2人の小さな女の子がキッチンに入ってきた。
その2人は本当に小さかった。どのくらい小さいかというと、机の上を走り回れるほど小さかった。2人はタカシの作ったカップケーキを食べ満足しているようだった。
「正体を明かしなさい!」
最初、度肝を抜かれ、2人の様を眺めるだけのタカシだったが、落ち着きを取り戻すと、机の上の2人に向かって質問した。
「ウィンクス!」
と名乗った2人は、それぞれをミャウとミューという。地球を宇宙怪獣から守るためやって来たのだという。彼女らの話では、これまでの怪獣は、地球を狙う別の宇宙人が、古代生物の化石から復元し巨大化させたものだというのだ。この怪獣は弱く、地球人の手でも葬ることは可能だったが、これからは本格的な宇宙怪獣を直接送り込んでくるのだという。
そう説明している2人の後ろから声がした。
「まあた怪獣です。しかしこれまでに見たこともないタイプです!」
声はテレビの臨時ニュースだった。2人の言った通り、本格的な怪獣が送り込まれてきたのだ。
「キミ達あんな怪獣と、どーやって戦うんだい?」
タカシの疑問ももっともである。怪獣はビルよりも大きく、彼女達は机に乗るほどに小さい。
「自分で戦うのに決まっておろう。ぶん殴ってケリ入れてー!!」
そう説明するミューの横で、ミャウは巨大化した・・・