プロローグ
果玉市遠山町8-15にそれは立っていた。不思議な入居者募集の広告。それを除けば、ごく普通のアパート。それが、あぶな荘。しかしそこに住むのは、一般社会と折り合いをつけられないエスパー達だった。
第2部 Vol.6 異空間神話
「僕は秋の海が好きだ・・・」
伊丹正一(28)は、落ち込みながら、あぶな荘の連中と空中浮遊をしていた。そのときだった。声をかけてきたのは、一人の漁師だった。
漁師の話では、悪い亜空間が海上を浮遊し、村の娘を飲み込んだのだというのだ。そしてエスパーの力を見込んで、その悪い亜空間をやっつけてほしいというのだ。
そこで、伊丹、室山、相田、アキナの4人は海上に小舟で乗り出し、集中思念ピラミッドパターンを形成すべく麻雀を始めたのだった・・・