「マナセ、アブナイ、マナセ、アブナイ」
その声は電車から降りようとしていた女の子の帽子から聞こえた。愛瀬(まなせ)のかぶる奇妙な帽子は、しょっちゅう頭にケガをする孫娘のために、発明家のおじいちゃんがプレゼントしてくれたものだった。その帽子に障害物が近づくと、声を出して警告するという代物だった。帽子に警告をされた愛瀬は、背をかがめて電車の出口を抜けてホームに降りた。愛瀬は背が高かった。
家に帰ると陳平(ちんぺい)が遊びに来ていた。中学のころから付き合っている彼氏だ。さっそく陳平の体を求めてすりよる愛瀬。二人は愛し合った。
そんな二人だったが、たったひとつ気にしていることがあった。それは愛瀬の方が陳平よりも頭ひとつ背が高いことだった。
愛瀬のおじいちゃんは、そんな愛瀬の悩みを解決するべくまた新しいアイテムを発明した。それは体を小さくする腕輪だった。どういう効果があるかは言わずに、おじいちゃんは愛瀬に腕輪を着けさせた。それを着けて寝床についた愛瀬は、たった一晩で小さくなることができたが、手のひらサイズの大きさにまで小さくなってしまったのだった。
話を聞いてびっくりし、愛瀬のもとに駆けつけた陳平。陳平は、愛瀬のおじいちゃんにもとの体に戻すように怒りるが、すぐに戻す方法はないらしい。おじいちゃんは、体を大きくする腕輪の開発に手を付けることを陳平と愛瀬に約束した。少し落ち着きを取り戻した陳平は、愛瀬に余計なことを考えさせないために、その小さな体を愛撫しはじめたのだった。
やがて、おじいちゃんは体を大きくする腕輪を完成させたが、もとの大きさより小さめに設定できることを知った愛瀬は悩むのだった・・・