ギリシャの神々の王ゼウスの妻ヘラは、ゼウスの浮気を知り復讐の女神となっていた。かねてよりヘラは、ゼウスの好色ぶりに怒りを隠せずにいたが、今回ほど怒りに燃えたことは無かった。そこでヘラはゼウスへの報復に、自分も浮気することに決めた。
浮気の相手を決めたヘラは、愛神エロスにお膳立てをさせ、テーバイの王アンピュトリオンと歓喜の時を過ごせるようにした。王の妻アルクメネに化けたヘラは、こうしてゼウスに対して報復を行うことに成功した。そしてヘラは身ごもった。
やがてヘラは、ひとりの女の子を生むが、その女の子は神の子にふさわしくい、小さな子供であった。それは、賢者でもある神ヘルメスが、ゼウスの怒りを避けるために一計を案じた結果であった。ヘラは神の子を殺すこともできず、その子の処分をエイレイテュイアに任せたのだった。エイレイテュイアはその子をアルクメネの子供として、授けることにしたのだった。
アンピュトリオンとアルクメネの間に双子が生まれた。ひとりは男の子で、もうひとりは女の子だった。女の子は、ひどく小さな子供で、とても生き延びることは出来ないだろうと思われていた。しかしパラエモナと名づけられた小さな王女は、アルクメネの加護の元に育っていった。しかし、普通の子供の背の半分もないような小さな子供だった。 小さな王女は、その体躯に似合わず元気で、病気などとは縁が無かった。その有り余るパワーについていける子供はおらず、小さな王女の遊び相手になる子供はいなかった。しかし、いとこのエウリュステウスと出会い、王女はいとこと過ごすようになった。エウリュステウスは、残忍な面をもっており、ある日いたずらしようと王女に襲い掛かってきた。しかしエウリュステウスはキスだけすると、履き捨てるように王女の小さな体のことをなじったのだった。王女はこれまでにない屈辱を感じ、彼を殺してしまった。王女は帰ることもできなくなり、森の中に消えていった。
森の中で暮らす少女の運命を変えるきっかけとなったのは、メランプスとの出会いだった。老人がひきつけを起こした少女を助けたのが、少女とメランプスとの出会いだった。少女はその後、メランプスを父のように慕い、一緒に暮らすことを望んだ。少女が行方不明の王女であることに気が付いたメランプスは、最初家に帰るように少女を説得したが、やがてあきらめ一緒に暮らすことになった。
しかし、それもある事件がおき、長く続くことはなかった。彼女の体は巨大に変身し、それまでとは全く違う冒険の日を送ることになったのだった・・・