ふろむ・びよんど

転校生、兄結あにまは可愛かった。男子生徒はみな彼女の虜になってしまったようだ。それもそのはず、あにまは、魔界の姫様。体から魔力を帯びたフェロモンを発散させていたのだった。

姫様には、魔界からじいが一人お目付け役でついてきていた。姫様の行動を見抜いていたじいは、姫様も気がつかぬうちに貞操帯を姫様の腰に着けさせていたのだった。

しかし、そんなことでひるむ、あにまではなかった。今日こそ黄金のちんぽを見つけなくては。あにまは巨大化の魔法を自分にかけ、そして貞操帯をはぎ取ることに成功した・・・

巨大化したときの絵は自粛させていただきました。ねむるりこ氏の作品は直接表現の描写が多いのですが、この作品ももれなく相応の描写がなされています。その上、絵では巨大化したことが分かりにくいのです。いったいどれほどの大きさに巨大化したのかすらよく分かりませんが、どうやら十倍近い大きさになったようです。

あにまは、貞操帯を千切るためだけに巨大化します。瞬間芸のような巨大化です。この作家は、極端な表現を好んで描きます。こうした瞬間芸的巨大化も作者の個性の一端を示していると言えそうです。

ところで、この作品の扉絵に「黄金のちんぽを探して大冒険」と書かれていますが、このコピーは映画「ミスター・グッドバーを探して」を彷彿とさせます。映画タイトルのグッドバーとは男性器を表わす隠語です。おそらくこの映画のパロディなのでしょう。男漁りというところにインスパイアされて描いた作品と思われます。

それにしても、ねむるりこ氏はいつも直接的な表現してくれます。おかげで紹介する時、どうしようかと困ってしまいます。この作家は他に「ガリバーの冒険」というカラー短編を描いてまして、そちらも別の機会に紹介したいと思います。