「あの・・・キュウリください。」
八百屋の店先で、かぼそい声がした。店員の青年が声の方を見ると、一人の少女が立っていた。かわいいと青年は思った。
「ウチのはどれも新鮮で大きいよ。」
そう言いながら青年は、特別新鮮なのを選び出そうとした。
「・・・ほそくて、やわらかいのがいいんですけど・・・」
少女はうつむきながら、青年に向かって言った。青年は不思議に思いながらも、少女の希望のキュウリを選んで渡した。青年がキュウリを渡したとたん、少女は逃げるように店の前の公園に駆け出した。何だか放っておけず青年は少女の後を追った。
「じつはあたし・・・宇宙人に改造されちゃったんです。」
突然の告白に青年は驚きつつも、その後の少女の言葉に耳を傾けた。少女は宇宙人にさらわれ、スーパーヒーローとしての改造を受けてしまったというのだ。そして、変身するたのスイッチを体のある部分に取り付けられ、そのスイッチを押すためにキュウリを買ったのだという。
折しも、宇宙怪獣が現れ街を破壊し始めた。少女はけなげにも身を挺して怪獣と闘うという。それならば・・・
「わかった。オレが変身させてやる。」
青年は少女の決心に、自分も協力しなければと思った。そして・・・