希乃子

さがみゆう 作品

あらすじ

俺の誕生日のプレゼントだと言って、妹が缶詰めをひとつ置いていった。缶には説明書がついている。説明書によると、上手く育てると1週間ほどでかわいい彼女が生まれると書いてある。半信半疑ではあったけれど、育ててみることにした。

1週間経って生えてきたのは、ただのキノコだった。あほらしくなってきた。きのこご飯にでもして食べようかと、摘み取ろうとした時、きのこが脈を打った。驚いているうちに、きのごが割れて中から小さな女の子が出てきた。

「希乃子です。これから3ヶ月よろしくお願いします。」

注意書きによると、3ヶ月経ったら必ず燃やして捨てなければならないと書いてある。そして、この女の子もそうした運命を覚悟しているというのだけれど、俺は・・・

解説

かなり変わったHマンガです。いちおうHシーンがメインですが、真剣に考えると色々な意味で考えさせられてしまいます。

このきのこは人間と同じ姿形で、コミュニケーションをとることができる知能を持っています。そして感情も持っています。少なくともそのように見えます。これは、ロボットやアンドロイドを扱ったSFの永遠の命題とも入れるテーマとも言える、限りなく人間に見える人間でないものとは何か?というものと同じテーマがこの話の底辺に流れています。ただのHまんがだと侮れないものが、この作品にあるのです。

しかも、希乃子は無機質な鉄の塊でもなく、プログラムされた感情を持っているのとも違います。育てて大きくなるという生命であって、当然に育て主は愛情を持つことになるでしょう。そして、この話の主人公もそうして希乃子に、肉体を求める以上の愛情を持つようになっていきます。愛情の分だけ希乃子は育ったと言えるでしょう。どのくらい大きくなったかは、読んだ方のみの楽しみとしましょう。

記事公開日:2001.08.22
記事更新日:2004.09.17

恋するキモチ

著者 さがみゆう
出版社 雄出版
発売日 2003/03
ISBNコード ISBN-10: 4946530983
ISBN-13: 978-4946530982
入手情報 Amazonで商品チェック

オレンジクラブ 《1998-7》

発行 雄出版
初版 1998年7月1日
雑誌コード 雑誌02195-7
本体価格 333円(定価350円)
サイズ A4・平綴

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