悩み多き高校生、南は、幼なじみの堀切ちよみのことが好き。堀切は学校のアイドル的な存在、それに比べて南は目立たないもてない男。南は告白できずに今に至っている。堀切はそれを知ってか知らずか、南のことを兄弟のように面倒見ている。しかし、ちよみには付き合っている彼氏、中里がいるのだった。
堀切は最近中里のことが少し気に入らない。中里の目当ては、自分の体にしかないように思えたからだ。そんなある日、いつものように堀切が南に勉強を教えているとき、南が思い切って堀切に告白した。
そんな奇妙な三角関係がしばらく続いたが、中里が妙なことを仕組み堀切の気持ちを試したのだった。堀切は中里のことが好きだった。それなのに・・・
その日、南は両親がいないことを良しとして、堀切を家に誘った。下心見え見え。それでも堀切は承知した。堀切は自分の心が判らなくなっていた。承知したものの、まっすぐ南の家に行けずにいる堀切。ぼんやりと歩いている堀切。角を曲がるとの目の前にバイクが。それは中里のバイクだった。
中里は何かを見たような気がした。堀切は「はねられる!」と思った。その瞬間、堀切の身に不思議なことが起きた。バイクを止めて振り返るが、そこにはなにもなかった。
気を失ってしまった堀切が目を覚ますと、南に返すために持っていたハンカチが、まるで絨毯のように足下に広がっていた。
「え〜! うっそ〜!」
自分が小さくなってしまったことに気が付いた堀切。一方なかなか家にこない堀切を迎えに出ようと表に出た南。近所の路地を曲がろうとしたとき、堀切の声を聞いた。脇の側溝から聞こえる。南が覗き込むとそこには堀切が。そして二人の不思議な生活が始まったのだった・・・