国の後継者たる姫は囚われの身だった。魔王は姫を人質にし、最強の戦闘魔法の封印の秘密を手に入れようともくろんでいるのだった。
魔王に封印の秘密を教えるわけにはいかない。勇者は兵士を率いて、魔王の城に攻め込んだ。
勇者は知っていた。最強の戦闘魔法の封印の秘密を。姫なくしては意味のない封印の秘密を勇者は知っていた。だからこそ、余計に魔王を倒さなければならないと、勇者は思った。
・・・そのころ、魔王の地下室では、魔王の手下が姫にとんでもないことを要求していた。気丈な姫は、
「あたしが欲しいなら、力づくで奪ったらどうなの」
と、気弱そうな魔王の手下に向かって言った。見てくれも弱そうな手下2人は、実際に気弱でそんなことはとうていできないのだった。この2人がかわいそうに思えてきた姫は、
「もういい分かったわよ。いいわよ見て・・・」
なんと、手下にスカートの中を見ることを許してしまった。手下の要求は、それで終わらなかった。ひとつの要求が通ると、新しい要求を・・・要求を重ねるごとに内容はエスカレートしていき、ついに・・・
・・・それこそが封印を解く鍵だった。封印を解かれた最強の攻撃魔法。それは、巨大化だった。
巨大化した姫の体は、魔王の城を木っ端みじんにし、なお膨れ上がった。姫の巨大な体に圧倒され、戦っているすべての兵士がその手を休めて見上げた。
勇者は悟った。封印が自分以外のモノに解かれてしまったことを・・・
姫は、自分が無敵の存在になったことを理解した。
そして魔王は・・・
そして、その後の国は・・・