いつからか妖精は小さくてかわいらしい存在として創造されるようになりました。おそらく薄い羽を持った絵が挿絵として描かれるようになってから、小さな虫のイメージとだぶったのではないかと思われます。

様々な説がありますが、ケルト神話でフェアリーが登場するようになるのは、ケルト系民族がグレートブリテン島に侵攻した後のようです。グレートブリテン島の土着民話に登場する妖怪のような存在と、後にもたらされたギリシャ神話の巨人族とが融合したのがフェアリーの原型のようです。フェアリー伝説の出生は様々な説があるので、さらに調べてみたいところです。

フェアリーの大きさについては曖昧な伝承が多く、それでも物語的に見て人間よりも大きな存在と思える伝承が多くあります。また諸説でも、人間の背と同等以上の説が大半を占めています。加えて解説させていただくと、妖精という言葉は明治維新後に登場する造語で、それ以前は単に妖怪と翻訳されていました。

さて本作品は小さな妖精という概念にとらわれた人に意外性をもたらそうとして描かれた漫画作品です。奇想天外であることがSF作品の面白さのひとつで、それを狙った作品なのですが、奇しくもそれはフェアリーのルーツとも呼べるものであったようです。しかしそれよりも、赤石沢氏の巨大でも可愛い妖精の絵が良いですね。