世界がどこまでも平らに続く平面世界。そこは、人間と精霊が共存する特殊な世界だ。
ヒューディーは精霊だが人間に育てられたために、人間の特性を持った特殊な存在だった。人間でもなく完全な精霊でもないヒューディーの人生は、父の死から始まった。ヒューディーは自分という存在を把握するために旅に出た。
ヒューディーが自分以外の精霊に会ったのは、大都会ターファンだった。ターファンは、何か邪悪なものを感じる街だった。精霊ジャハンは、精霊としては珍しく人間の間に居を構えていた。ヒューディーはジャハンから精霊の力の出し方を教わっていった。
大内裏に怪しげな気配が漂うとき、ジャハンはターファンを出ていく。精霊とは、もともと人間の世界に干渉しない存在だったのだ。人々は大内裏の動きに恐怖を感じながらも、力でこれに対抗しようと決起した。その中にヒューディーの姿があったが、精霊としての力を出し切れず倒れてしまう。
大内裏は味方も敵もなく、人々を殺し始めた。大内裏にとって人間はただの生け贄にすぎなかったのだ。そんな混乱の中、ヒューディーに変化が。そう精霊のヒューディーが完全に開放されたのだった。人々の前に完全な精霊として現れたヒューディーは力強く、そして片手で戦艦を沈められるほど巨大だった。巨大なヒューディーを止める物は何もなかった。大内裏はヒューディーによって巨大な結界の中に封じられてしまった。(第1巻より)