幼い魔法使いチョコレは、ばあさまの話が大好きだった。
「そうじゃな。小さな王子の話をしてやろうか。」
ばあさまは、そういうと不思議な話をしてくれた。
「ひろい砂漠のどこかに、なぜかポツンと森があって、その奥に誰も足を踏み入れることができぬ不思議な宮殿があるそうじゃ・・・」
チョコレは小さなものが大好きだった。宮殿の奥で翡翠に閉じ込められた小さな王子の話はチョコレの心を捕えてしまった。
手のひらに乗るような小さな王子。それは、おとぎ話のことではなかった。ある日、チョコレは魔法の空飛ぶ絨毯で居眠りをしてしまい風に流されてしまった。そのときチョコレの目の前に、ばあさまの話にあった宮殿があった。しかしチョコレは近づくことが出来なかった。チョコレが近づこうとすると竜巻がおきてチョコレを飛ばしてしまうのだ。
チョコレは、どうしても小さな王子に会いたかった。そして、ばあさまの大事な魔法の指輪「リングスリング」を持ち出したのだった。