1977年に日本で公開されたSWでは、私は10代前半でありながら特撮よりも気に入った箇所が「一箇所だけ」あった。
それはロボット等が暇つぶしの「モンスター・チェス」に興じる一場面、僅か5-6秒といったカットだった。
ネット上で調べて判明したのだが、場面を担当したのはどうやら昨今の大御所「フィル・ティペット」だったようだ。
そのフィルは、ハリーハウゼンの「シンドバット7回目の航海」を観て、この道を志した とどこかで聞き覚えている。
それなら、拙者も小学生低学年時につれてってもらった「シンドバット黄金の航海」後、ド下手な英語でハリーハウゼンに弟子入り直訴の手紙を書くべきだった...
かなり余計な前置きだったが、ハリーハウゼンはファンタジー映画のみならず、後年の映画界に与えたそのインパクトは
シネマとしてのモデルアニメ、哲学、営業、そして要の職人気質としての一貫した丁寧な製作過程、付け加えて、時代の
流れ、製作者や支えてくれ続けた親友の存在や出自に至るまで、努力以外の潮流(もっぱら満潮に見えたが)を見事に乗りきった稀有な映画の専門職人ではなかったか、と思うこの頃である。
本書は、膨大な資料の中でも(恐らく)説明、説得しうる偉業の数々を時系列でこと細かく網羅された大変な労作である。しかし、よくこんなに覚えていられるものなのだなーと感心を通り越してあきれるほどである。全ての領収書、メモ、音声データを駆使しても、私のような凡人にはただの1作品もページ数を割けないのではなかろうか?
果たしてCG全盛、テクノロジー全盛真っ只中にあって、第二・第三の彼は輩出できたであろうか?
これはライフワークのハリーハウゼンより、生涯に渡って格闘しつづけた1人の偉人を証明する本である。

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レイ・ハリーハウゼン大全 大型本 – 2009/2/26
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特撮&映画ファン必携!「特撮の神様」のすべてが詰まった
オールカラー完全保存版コンプリートブック!
公開作品のみならず映像化されなかった幻の作品まで、
貴重なスチール、メイキング写真、スケッチ、デザイン画…etc
700点の図版と共にハリーハウゼン自らが解説。
DVDでは語られていない撮影秘話や初公開資料も多数掲載した決定版。
何でも出来る時代になった今、失ってしまった大切なことが、この本には詰まっているのです。自分や自分と同世代の、あの子供の頃にテレビの前でビビりながらも胸躍らせていた人たちはもちろんのこと、これから映像の世界を目指す人たちには絶対読んで欲しい本だと思います。
樋口真嗣(映画監督・特技監督)
人はついつい最先端のものばかり追い求めちゃうけども、こういう「始祖」といってもいいくらいの作品や人をもう一回見つめ直すのは勉強になると思います。やっぱり最初にやった人はすごいですからね。正座して観よう!と。この本に学ぶところは大きいです。
山崎貴(映画監督・VFXディレクター)
「レイはつねに新しく、けっして古びない。」
──レイ・ブラッドベリ(作家)
「私たち、特殊効果に関わるすべての人間が、
レイから絶大なインスピレーションを受けている。」
──ジョージ・ルーカス(映画監督/プロデューサー)
「僕はレイのすべてから影響を受けた。
彼の画期的な映画群には驚嘆するほかない。」
──スティーヴン・スピルバーグ(映画監督/プロデューサー)
「僕の映画におけるすべての創造物は、レイの「孫」だと言ってもいい。」
──ジェームズ・キャメロン(映画監督/プロデューサー)
「彼は永遠にストップモーション・アニメの王様だ。」
──ニック・パーク(「ウォレスとグルミット」監督)
オールカラー完全保存版コンプリートブック!
公開作品のみならず映像化されなかった幻の作品まで、
貴重なスチール、メイキング写真、スケッチ、デザイン画…etc
700点の図版と共にハリーハウゼン自らが解説。
DVDでは語られていない撮影秘話や初公開資料も多数掲載した決定版。
何でも出来る時代になった今、失ってしまった大切なことが、この本には詰まっているのです。自分や自分と同世代の、あの子供の頃にテレビの前でビビりながらも胸躍らせていた人たちはもちろんのこと、これから映像の世界を目指す人たちには絶対読んで欲しい本だと思います。
樋口真嗣(映画監督・特技監督)
人はついつい最先端のものばかり追い求めちゃうけども、こういう「始祖」といってもいいくらいの作品や人をもう一回見つめ直すのは勉強になると思います。やっぱり最初にやった人はすごいですからね。正座して観よう!と。この本に学ぶところは大きいです。
山崎貴(映画監督・VFXディレクター)
「レイはつねに新しく、けっして古びない。」
──レイ・ブラッドベリ(作家)
「私たち、特殊効果に関わるすべての人間が、
レイから絶大なインスピレーションを受けている。」
──ジョージ・ルーカス(映画監督/プロデューサー)
「僕はレイのすべてから影響を受けた。
彼の画期的な映画群には驚嘆するほかない。」
──スティーヴン・スピルバーグ(映画監督/プロデューサー)
「僕の映画におけるすべての創造物は、レイの「孫」だと言ってもいい。」
──ジェームズ・キャメロン(映画監督/プロデューサー)
「彼は永遠にストップモーション・アニメの王様だ。」
──ニック・パーク(「ウォレスとグルミット」監督)
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2009/2/26
- ISBN-104309270824
- ISBN-13978-4309270821
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商品の説明
著者について
1920年ロサンゼルス生まれ。20世紀の映画界において、特殊撮影(SFX)の技術を確立。その創造力は、後に続く映画人に多大な影響を与える。作品は『原子怪獣現わる』『シンドバッド七回目の航海』『アルゴ探検隊の大冒険』『恐竜100万年』など多数。1992年に、長年の功績を讃えられ、アカデミー賞特別賞を受賞した。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2009/2/26)
- 発売日 : 2009/2/26
- 言語 : 日本語
- 大型本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4309270824
- ISBN-13 : 978-4309270821
- Amazon 売れ筋ランキング: - 711,975位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2019年1月2日に日本でレビュー済みAmazonで購入レイ・ハリーハウゼンのシンドバッド物を
観たことが有る、好きだ とゆう人は絶対に
買うべき。
- 2010年5月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入当初、ハリーハウゼンの映画を多くの関係者が多面的に語る内容を想像していたのですが、実際は殆どハリーハウゼン自身による自伝と、映画上の技術解説書でした。
それでも内容は豊富な図版共々素晴らしく、全体的には才能と家族を始め人間関係に恵まれた筆者がその道の第一人者として邁進し、引退するまでを揺ぎ無い自信と愛を込めて描いており、感動物です。
愚痴らしい愚痴はトレード・マークのストップ・モーション・アニメの技術に対する周囲の無理解・軽視に対する物(アカデミー特殊効果賞にノミネートされなかった事は不当な事だと思っていた)くらいで、スタッフや先輩のウィリス・オブライエンに向ける作者の視線は限りなく優しく、筆者の人柄の良さが窺い知れます。
但し、時間と予算の関係で完璧に撮れなかった画面(「恐竜グワンジ」のクリーチャーが画面により青味が強くなってしまう所他)を見直しては悔しがったり、最終作「タイタンの戦い」で一部をジム・ダンフォースらに任せるまで自分の作品のアニメートは絶対全て自分でやるという点では強烈な矜持も伺い知れました。また、自身が低予算でストップ・モーション・アニメを撮る技法を発明した事により、憧れの対象かつ恩人であったオブライエンの予算が掛かるシステムを衰退に追いやってしまった記述や、CGの台頭でもう自分の技法の時代ではないと語る所などは感無量です。
それにしても「シンドバッド黄金の航海」が100万ドルにも満たない予算で作られていた事を知り驚愕致しました。
やや高額ですが、ハリーハウゼンのDVDを持っている方はこの本を側に置いて鑑賞すると面白さが倍増するのは間違いなしです。お薦めです。
- 2009年3月13日に日本でレビュー済みAmazonで購入待ちに待っていた「An Animated Life」の翻訳本です。洋書に比べ約2000円高くなりますが、レイ・ハリーハウゼンのメイキングを日本語で読めるのですから、翻訳料と思えば安いのではないでしょうか。レイ・ハリーハウゼンの素晴らしい仕事ぶりをたっぷり楽しめます。
- 2009年3月19日に日本でレビュー済みまさか翻訳本が出るとは思わなかったので洋書を買いましたが、文章がかなり多くて閉口しておりました(しかもフィルム系の専門用語多数)。重複してしまいますが、こっちも購入しました。ちょっと高いですが、大判のハードカバーで図版も豊富、翻訳者もハリーハウゼンファンの特撮研究家なので安心して読めます(←ここ重要)。すばらしい本です。
本の宣伝で「700点の貴重なオールカラー図版」と謳っていて、間違ってはいないのですが、鉛筆描きのコンテとか白黒のスチルなど「元々が白黒の図版」多数も含まれている点は注意ください(些末事なので星には影響しません)。
読了後追記:自伝としてもものすごく読み応えがありました。また、当たり前といえば当たり前なのですが、これだけの大冊なのに誤変換系の誤字が皆無で気持ちよく読めました。
- 2012年12月24日に日本でレビュー済みAmazonで購入ハリーハウゼンもののDVDを合わせて購入しましたが本書をみながら鑑賞するとおもしろいです