エクセルサーガで妖精たちは「失敗できないし間違える事が出来ない」と言うが
この巻の内容を見ればそれは間違いだと言う事がわかるのだ
ピオラがフィオに対し「前回の仕事」について問い合わせたとき
「前々回の仕事」の話題をフィオはする場面があるのだが
これのことをピオラは「見えないうちにフィオは初期化されていた」と解釈するが
これ実は誤りなのだ
もしそうなら「何の話?」といった類の反応をするはずであり
しなかったと言う事は違うと言う事なのだ
これ実は「前回の仕事を担当したフィオ」と「前々回の仕事を担当したフィオ」が「別物」だと言う事を示唆する場面であり
早い話、この時ピオラと一緒にいたのは「前々回の仕事を担当したフィオ」だと言う事を示す描写なのだ
つまり「フィオは群生」だと言う事を示す場面であり
もし妖精たちが本当に「失敗及び間違いをしない存在」なら
ここでピオラは「フィオは群生」だと言う事に気づくはずなのだ
つまり「失敗できないし間違えない」というのは
「特別な存在でいたい」という妖精自身の願望がなせる代物にしかすぎず
本質的には妖精たちも「凡庸」な存在にしか過ぎないことを示唆する描写なのだ
だからエクセルサーガで天満宮は妖精たちのことを「負け組」と扱ったと言う事でもある
そしてなぜピオラとフィオと神と普通の受け手はこれに気づかなかったのかというと
ピオラにとってのこれは「フィオは代用できる存在にしか過ぎなかった」と言う事を認めることを意味する
フィオのことを「唯一無二のパートナー」と扱うピオラの捉え方が「間違い」だと言う事を認めることを意味する
だから気づく事が出来ない
フィオにとっての「何の話?」と返答することでこれを誤魔化すというのは
「本当に自分は神に書き換えられる存在」だと表明することを意味する
つまり「フィオは神様の道具にしか過ぎない」というのをフィオ自ら認めることを意味する
だから「何の話?」という返答でごまかす事が出来ない
神にとってのフィオのこの返答に対し「制裁措置」を施すというのは
ピオラ曰く「お気に入り」であるフィオのことを「普通」の存在と扱う事を意味する
つまり「フィオは特別気に入っている」という神のフィオに対する扱いを神自ら否定することを意味する
だからフィオに対し「制裁措置」をとる事が出来ない
「普通の読者」にとってこの場面に違和感を感じ「ピオラは誤解している」と解釈するとは
ピオラの視点で話を進める構成に対し違和感を感じることを意味する
つまりこの構成を要求した作者の事を否定する事を意味する
つまり自分たちの読み方及び作者のルールを「間違い」だと扱う事を意味する
だから気づく事が出来ない
つまり「自分は間違っていない」という妖精達の思い込みこそ
エクセルサーガでの「妖精達は失敗できないし間違える事が出来ない」という言葉の本質であり
「妖精たち負け組」とは天満宮にそれを見透かされたが故の扱いなのだ

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登録情報
- 出版社 : 少年画報社 (2010/4/9)
- 発売日 : 2010/4/9
- 言語 : 日本語
- ISBN-10 : 4785933593
- ISBN-13 : 978-4785933593
- Amazon 売れ筋ランキング: - 143,876位コミック
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2019年8月25日に日本でレビュー済みAmazonで購入なんというか、スレた大人が読んで笑う感じの作品です。
世界中の童話や伝説にケンカ売ってる様は読んでいて笑えますし、案外本当はこんな感じだったのかな?
なんて思わせてくれる作品です
それでいて然り気無く深い話を入れてくる手腕には脱帽です。
そんな話の最終巻です
妖精(?)のフィオとピオラが最後に行き着いた話は個人的に必見です。
- 2010年4月23日に日本でレビュー済みAmazonで購入この作品に入っていくきっかけは、結局、コミックスには掲載されなかったエピソードからなのですが、
主要キャラの1人、「ピオラ」が追い求めた「メルヘン」の答えを、もう片方の「フィオ」が提示してみせます。
「それ」は、ピオラが考えているモノとは大きく異なってはいたのでしたが…
それは同時に、我々の世界の危うさを映しているとも取れます。
我々は、美しい緑の奇跡の中にいるというのに、なんと愚かなのだろうと。
そういう深い考察の深みに入っていくタイトルイラストは秀逸。
しかしこれまで通り、間違いなく娯楽作品です。ただし、電車の中で読むのは少し勇気がいるかも。
- 2019年7月20日に日本でレビュー済みいろんな要素があれど、素敵な作品です
とても大人向けなので好みは分かれますが…
- 2010年4月9日に日本でレビュー済み自虐、諧謔、皮肉、やるせなさ、無力感、どうしようもなさ。
「Holy Brownie」を読む時に感じていたのは、いつもそうしたものでした。人がいて、事件があって、でも歴史は決められている(あるいは、そう"思わされて"いる)からフィオとピオラはいつもそこに割り込む、介入する。「それ」にしかし疑問を持った時、「次」は来たりて歴史は新たに始まっていく……。
"自由意志"
誰もが持っているもの、でも本当にあるのか確かめようもないもの。「何もかも知るモノ」たるフィオとピオラにさえ分からない「それ」を、ただの人間たる我々が真に確信出来よう筈もありません。「あいつ」の操り糸を振りほどけるかもしれないそのきっかけ、それを本当に劇中の2人がやっていたみたいに知らぬ間に潰されているのだとしたら、「自分と違うもの」を自然に排除しようとする人間の性それ自体がもう「あいつ」の手の上にいるということなのかもしれません……。
毎度のその露骨なエロさに感動し、毎度の事件のその顛末に苦笑し、毎度のテーマのその深遠さに熟考させられた「Holy Brownie」もこれにて完結。六道先生、長い間連載本当にお疲れ様でした!
- 2010年4月12日に日本でレビュー済み最終回にふさわしく、今回の妖精たちの活躍の場は終末の世界でした。
巨大隕石の落下と疫病によって人類が死滅しようとしている未来
近未来、衛星軌道上で夢見る男が最後に見た夢
過去、罪を犯す幼い姉弟が望んだ最後の世界
遠未来、一度は宇宙まで拡大した人類は結局、破滅した時、最後の人間たちのとった決断
そして人類の創世記、人類の滅亡の危機にフィオとピオラがとった行動。
いずれの時代でもピオラたちが活躍する世界は、人類の終末を迎えようとする世界です。
その世界でフィオとピオラは、人類にどのような選択を与えるべきか
彼らを動かす神の思惑は
深く考察しようとすれば、いくらでも深くなる内容ですが
作中には、これらのことは簡単に述べられているだけです。
それいえわかり難いところも多いと思いますが、なぜか魅せられます
作中では殺人にとどまらず、カリバニズムからイノセントタブー
あらいる罪を人間たちが犯している、そして最後に行き着くのは人類全ての終末
その中で感じ取れるむなしさ。悲しさ
こうした人類の業とも言えるものが、この作品には描かれています