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パスタマシーンの幽霊 単行本 – 2010/4/22

5つ星のうち4.4 25個の評価

一篇が10ページ前後の短篇が22篇収められている。なにしろ川上弘美のこの短篇群の面白さは驚嘆に値する。「おひまなら一篇だけ立ち読みしてみてください」と言うしかないのです。若い女性の一人称の作品が多いけれど、だからといって若い女性向きの作品集とばかりはいえない。そんなことはどうでもよくて、男性が読んでもたぶん心にしみるはず。これぞ川上魔術。表題作の一部をご紹介するのが手っ取り早い。こんな感じです。「このパスタマシーンを使うのは、いったい誰? あたしの胸は、大きく一つ、どきんと打った。『小人じゃないの』というのが隆司の答えだった。/あたしはすぐさま、隆司を問いただしたのだった。料理は下手だけれど、そのかわりあたしはものすごく率直なのだ。ねえ、誰がこのパスタマシーンを使ってるの。『小人』あたしはゆっくりと繰り返した。/『じゃなきゃ、猫とか』『猫』あたしは隆司の顔をまじまじと見た。無表情だ。/『このごろの猫って、ほら、お手伝いさんとかして働くみたいだし』/あたしは笑わなかった。隆司は一瞬だけ笑って、それから『しまった』という表情になった。あたしは率直なうえに、怒りっぽいのだ。」「クウネル」の人気連載が本になった。絶賛を博した第一弾『ざらざら』につづく最新短篇小説集。今回の短篇も、決然とした恋愛の情熱や欲望ではなく、恋愛関係のうちにある何かとらえどころのない心のゆらめきを魔術的とってもいい文章で描いた傑作ばかり。読み終えたあとに、また本を開きたくなる。おなじみの、アン子とおかまの修三ちゃんも再登場。新たな主人公、誠子さんとコロボックルの山口さんの恋の行方にも注目だ。深刻な感情がユーモアに転換され、そのあとに〈しん〉とした淋しさが残る名品22篇。
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商品の説明

著者について

川上弘美(かわかみ ひろみ) 1958年生まれ。 1996年「蛇を踏む」で芥川賞、 1999年『神様』で紫式部文学賞、 2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞、 2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、 2007年『真鶴』で芸術選奨を受賞。他に『龍宮』『光ってみえるもの、あれは』『ニシノユキヒコの恋と冒険』『古道具中野商店』『ざらざら』『風花』『どこから行っても遠い町』など多数。最近作は『これでよろしくて?』

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ マガジンハウス (2010/4/22)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/4/22
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 253ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4838721005
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4838721009
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.4 25個の評価

著者について

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川上 弘美
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1958年生まれ。1996年「蛇を踏む」で芥川賞。1999年『神様』で紫式部文学賞。2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞。2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞。2007年『真鶴』で芸術選奨を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 パスタマシーンの幽霊 (ISBN-13: 978-4838721009 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
25グローバルレーティング

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「特別」じゃなくてもいいから、隣にいたかった。
星5つ中4つ
「特別」じゃなくてもいいから、隣にいたかった。
『ざらざら』の続編。 ちりちりと心を焦がす残り火を、最後は自分の息でふっと消す。「恋のお葬(とむら)い」をするような短編集だった。どうして恋は、好きなればなるほど上手くいかなくなってしまうのだろう。同じくらいの「好き」じゃなくていいから、あともう少しだけ、一緒にいる口実にできるくらいの「好き」でよかったのに。 「杏子とおかまの修三ちゃん」、「誠子さんと山口さん」の連作短編が大好き。
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2018年11月12日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 文庫Amazonで購入
    「ざらざら」の続編。こちらもなかなか読みごたえありましたが、恋愛要素は少なめ。
    でもこちらもはまります。さすが川上さん。
  • 2023年8月4日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 文庫
    『ざらざら』の続編。
    ちりちりと心を焦がす残り火を、最後は自分の息でふっと消す。「恋のお葬(とむら)い」をするような短編集だった。どうして恋は、好きなればなるほど上手くいかなくなってしまうのだろう。同じくらいの「好き」じゃなくていいから、あともう少しだけ、一緒にいる口実にできるくらいの「好き」でよかったのに。

    「杏子とおかまの修三ちゃん」、「誠子さんと山口さん」の連作短編が大好き。
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    5つ星のうち4.0
    「特別」じゃなくてもいいから、隣にいたかった。

    2023年8月4日に日本でレビュー済み
    『ざらざら』の続編。
    ちりちりと心を焦がす残り火を、最後は自分の息でふっと消す。「恋のお葬(とむら)い」をするような短編集だった。どうして恋は、好きなればなるほど上手くいかなくなってしまうのだろう。同じくらいの「好き」じゃなくていいから、あともう少しだけ、一緒にいる口実にできるくらいの「好き」でよかったのに。

    「杏子とおかまの修三ちゃん」、「誠子さんと山口さん」の連作短編が大好き。
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    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2013年6月16日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
    文庫本とほぼ同じ価格で新品同様の単行本が買えたので、ちょっとハッピーな気分です。おまけに、読み始める前の、「今から川上弘美ワールドに入って行けるんだ」というホンワカとしたワクワク感がたまらない。旅行に出かける前のソワソワした気持ちに通じるものがありますね。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2010年12月6日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本
    いかにも「クウネル」な連作短編集。
    雑誌が「ストーリーのあるモノと暮らし」だから、こちらは「モノと暮らしのストーリー」?

    「ざらざら」に続き、無印良品を使ってそうな人たちがたくさん出てくる。
    静かでシンプルでユーモアが好きで。タレントのはなさんみたいな?
    この雑誌と川上弘美さんはよく合う気がする。親和性があるというか。

    川上弘美さんは、話の作り方も文章もじょうずだから、すっと物語に入っていけて、気持ちよく読める。
    さっと読むのが惜しいような。でもさっと読める。真夏にそうめんを食べるように、つるつると。
    雑誌の性格からか、物語は淡泊な味わい。ほど良い薄味で。身体に心地よい。

    食べものもおいしそう。元彼のおばあさんの幽霊直伝のパスタとか、修三ちゃんの黒豆とか。
    そのうち料理本が出るかもしれない。
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2013年4月12日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
    期待通りでした.ただいつもいつも評価を送信せねばならぬのが面倒である.
  • 2010年9月2日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
     うすい和紙、あるいはレンジフードにかぶせる白い網上のシート様のものがいつも体のまわりにあって、普段はひととは密着せず、無用に傷つかないような仕様になっている。必要な時には自由に取り外しできる。そんな人間界があったらいいな、そんな世界をみせてくれる。冷たくもなく、熱くなく、かといってぬるいわけではない。体温にあわせて適温。修羅場でも不快でなく心地よい。少しミントの香りがするような不思議な空気が作品全体を包んでいます。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2010年9月12日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
     「ざらざら」の姉妹編。雑誌連載の22編が収録されている。一話は3枚程度。基本的に一話完結だが、「修三ちゃんの黒豆」「道明寺二つ」は、おかま改めゲイの修三ちゃんと杏子の、「ざらざら」から続くシリーズになっている。それと、小人の山口さんを挟んで3話がスピンオフしながらつながっている。
     読後振り返って気付くのは、不思議話が意外と少ないことだ。第一話の「海石(いくり)」が不思議話の代表なのだが、これを冒頭にガーンとかまされることで、この極小短編集全体を、不思議話のように錯覚してしまうのだ。
     だが、「海石」(よくこんな不思議な言葉を拾ってきましたね)、恋人のおばあさんの幽霊、小人の山口さん、ドッペルゲンガーくらいしか超常的存在は登場しないのだ。落ち着いて読むと、ほとんどがごく普通のことなのだ。陶芸家にしろ無宿人にしろ、日常の周辺に平凡に存在する。これらを不思議話に読ませてしまうのが、作者の仕掛けなのだ。
     それと、川上さん、なんか人生突き抜けましたね。セックスも結婚しない女もあっさりニュートラルに描いちゃうし、タイトルの一つに「きんたま」って…。ちょっと弘美さーん。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2011年7月29日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本
    川上さんはやはり短編がいい。
    この作品も「道明寺ふたつ」「きんたま」だのタイトルが愉快。それでいてしっかり大人のよるべない人生を描いている。

    10年ほど前、川上さんの「おめでとう」を読んだ頃、私の人生にもよるべない出来事が起きた。私の性格が川上さん描くところの、まごまごした、不器用な女だったがゆえに、ぜひとも川上さんに自分の身の上に起きた出来事を聞いてもらいたくて、勢い余って便箋きっちり8枚綴って、くちなしの香る切ない季節に手紙を投函した。

    サルスベリが鮮やかに咲き、蝉がみんみん鳴く頃、川上さんから返事が届いた。
    すこし、もたもたした文字で、最後は「おたがい、がんばりましょうね」と書いてあった。

    あれから10年、私はただ年を取っただけだが、川上さんは「芥川賞選考委員川上弘美」と数段格上の作家になり、ますます有名になっていった。
    ただ、あの夏のほんの少しの時間、同世代の私たちは立場違えど、何かしらの切ない気持を共有したことだけは確かだと思いたい。

    私の察するところ、川上さんは結構要領がよくて、したたかである。(たぶん)
    でも、それは作家に向いている、ということだ。これからもがんばってほしい。
    9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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