原題はThe Three Worlds of Gullieverですが、三つの世界の意味は、小人の国、巨人の国と現実のイギリスです。100分と短く、話の展開が早いので飽きずに見られます。特撮としては、巨人ガリバーが小人の前に海岸からはじめて登場する場面こそ迫力がありますが、その後は、小人とガリバー、ガリバーと巨人の組み合わせに慣れてしまうかもしれません。人形アニメは小人ガリバーを連れ去ろうとするリスが不気味な迫力を見せてはいますが、その他のワニと小人ガリバーの対決などはやや単調です(ガリバーの闘うワニはDVDのジャケットよりははるかに小さいトカゲほどの大きさの子ワニです)。特撮だけでも十分楽しめる映画ですが、医師ガリバーの正義感と前向きな姿勢は魅力的です。また、つまらない事で戦争する小人の国々、自分のわからないものを認めようとしない巨人、巨人に養われて(飼われて)安住してしまいそうになるガリバーなど、ガリバー自身の台詞の“小人や巨人は現実の世界(イギリス)にもいるのだ”という風刺は子供も大人もともに学べる作品といえます。