少女には相反する魅力がある、
我々が「咲き誇る花」に感じる魅力とは別に「膨らみかけの蕾に」惹かれるのは何故だろう、
それは「蕾」のこれからどんな花を咲かせるのだろうという期待と、まだ小さいのに咲こうとしている健気さが、愛おしさにつながるからだ。
「早く大きく美しくなあれ」と期待し、
「いつまでも小さく可愛いままで」と願う。
この矛盾こそ人々が少女に抱く相反する思いであり、本作「ロウきゅーぶ!」の魅力の源でもある。
本作に登場する自分の成長しすぎた肉体にコンプレックスを抱いた少女を、主人公の少年は彼女の無知に付け込み欺く、少女はその無知=無垢ゆえにそれを信じ込み、結果的に恐怖を克服し、仲間を勝利に導く一端を担う、
また「無垢なる魅力」を持つ実年齢より幼く見える少女はその魅力で敵を惑わせ、
「冷静で芯の強い少女」と「無邪気で人懐っこい少女」は教わった練習を忠実に繰り返し、目覚しい成長を遂げる、
そんな主人公にこれからも教えを請いたいと、ヒロインの少女は自分の限界に挑戦する。
大人たちから見れば「子供だまし」と揶揄されそうな少年の言葉を、少女達は真摯に受け止め成長して行く。
そして少年は少女の中に「花」を見る、
本商品「ロウきゅーぶ!BD第二巻」は「膨らみかけた蕾の花束」なのかもしれない。