『プリキュア』の中でもより一層の優しさと温かさが心地よいシリーズと言われる『スマイルプリキュア！』のＤＶＤ15巻目は43話「れいかの道！私、留学します！！」、44話「笑顔のひみつ！みゆきと本当のウルトラハッピー！」、45話「終わりのはじまり！プリキュア対三幹部！！」の三話が収録されている、まさにクライマックス巻。前巻の、あかね、やよい、なおの最終当番回に引き続き、43話と44話は、れいかとみゆきの最終当番回ということで力の入った演出が堪能できます。そして45話は、なぜ五人がプリキュアに選ばれたのかがよくわかる回と言っても過言ではありません。
※以下、完全にネタバレですので、差し支えないかたはどうぞご覧ください。
43話は、スマイルプリキュアの知性と良心ともいえる優しく穏やかなキュアビューティーこと青木れいかの当番回。一貫して彼女が模索し続けてきた「道」についに開眼する回として、その演出もシリーズを通しての最高の出来との噂も高い文句なしの神回。冷静で知的なれいかは物事を深く探求するタイプ。「自分は何がしたいのか、自分とはいったい何者なのか・・」というのが彼女の日頃の探求テーマです。そこに舞い込んだのは留学の話。予てからそれとなく希望を出していたものが選考を通ったのです。これに一番驚き戸惑ったのは他でもない本人でした。自分が留学してしまったら、家族は、学校は、生徒会は、弓道部は、そしてプリキュアは、また何よりも気になるのが四人の親友との親交はどうなってしまうのか・・ということが頭をよぎります。幼馴染のなおを始めプリキュアの仲間たちは共にれいかの留学を祝福しながらも実は皆寂しい気持ちでいっぱいでした。そんな折、迷うれいかに狡猾なジョーカーがつけ入ります。迷いを断ち切ろうとひとり弓道の稽古に励むれいかの前に現れたジョーカーは彼女だけを異空間に閉じ込め、揺れる気持ちを意味深な言葉でさらに混乱させます。「プリキュアなんか辞めて留学すればいい・・。」このあたりの悪夢を彷彿とさせる演出が凄い。キュアビューティーに一度は変身したれいかでしたが、動揺から変身が解けてしまいます。「あなたはもうプリキュアではない」と冷たくあざ笑うジョーカー。そこへれいかの後を追ってきたプリキュアの四人が囚われの身となったれいかに必死に呼びかけます。「大好きだよ・・寂しい・・本当は一緒にいたい」と涙を浮かべて素直な気持ちをさらけ出す親友たちの言葉を抱きしめるれいか。そのとき奇跡がおこり、キュアビューティーが再び顕現、ジョーカーに一対一の勝負を挑みます。「私が歩く、私の道。私が決める、私だけの道！」氷の剣で見事な立ち回りを演じるれいかが凛々しくまぶしい。自分が本当にしたいこととは、プリキュアとして世界中の人々の笑顔を守ること、そして心から慕う四人の親友とどこまでも一緒に歩み続けることだとれいかは気付くのです。ジョーカーを撃退し、留学を保留するれいか。愛する友と今を歩む道を見つけた彼女を喜びながらも逆に心配するなおたち四人に「大切な友達と歩み続けるのが私の道です」と笑顔で答えるれいかにもう迷いはありませんでした。れいかの単独当番回は他の四人と比べると4回と少ないですが、どれもが彼女の心の深さと相まって素晴らしいもの。キャンディを妹のように慈しみ、親友たちを優しく諭すれいかは全編を通して仲間へのさりげない心配りがにじみ出ている得難いキャラクターです。
44話は主人公みゆきの最後の単独当番回。フレンドリーで心底優しいみゆきにも引っ込み思案だった頃があったという話。転校初日、不安だったみゆきを当初から温かく迎え入れてくれた、あかね、やよい、なお、れいから後に共にプリキュアとして奮闘することになる仲間たち。今日も大切な友達と一緒にいれる幸せをみゆきは噛みしめています。「あかねちゃん、やよいちゃん、なおちゃん、れいかちゃん！」何の用事もないけれど、みゆきは四人の名前をただ呼んでみます。いつもと変わらない笑顔を見せてくれるみんな。そんな幸せのなか、みゆきは回想します。かつて自分が引っ込み思案だったことを。幼いころ、おばあちゃんの家に預けられたとき、内向的な性格から他の子たちと上手く交われなかった自分。ある日どこからともなく現れた不思議な少女がみゆきに手を差し伸べてくれたのでした。楽しく戯れる二人。みゆきは心の底から素直に自分のハッピーな面を出すことができたのです。あれはいったい誰だったのだろう・・・？そんなみゆきの話に聞き入る四人。謎の少女のおかげで自分を出せたみゆきはそれからというもの心のハッピーを常に大切にする彼女本来の明るさを軸に今まで歩んでこれたのでした。そんなとき迷子の女の子が皆の前に現れ、各自が散ってお母さんを探してあげることに。一人になったみゆきに先頃キュアサニーに敗退した後のないウルフルンがどう猛に襲いかかって来たため彼女はキュアハッピーに変身。「てめぇら見ているとイライラするんだよ！ムカついてしょうがねぇ！！」アカンベェと合体し執拗に攻撃をしかけてくるウルフルンにキュアハッピーはいつもと違う殺気を感じます。「あなたはどうしてそんなに・・・？」攻撃を受けながらも途方もなく荒れたウルフルンを切なく思うハッピー。劣勢に立たされた彼女を奮起させたのは不思議な少女との思い出、そして四人の友達が与えてくれた温もりと絆でした。気をとり直してウルフルンを極限の力で圧倒するハッピーのもとにプリキュアの仲間たちが駆けつけ、アカンベェの浄化に成功。四人の親友に囲まれたみゆきはいつも以上のウルトラハッピーを感じるのでした。ここぞというとき根性を発揮するみゆきが決して暑苦しさ一辺倒の存在にならないのは、彼女の明るさと優しさ故。自分だけではなく、他の人の幸せを常に願うみゆきが『スマイルプリキュア！』をこの上もなく温かい作品にしていますね。
そして45話はいよいよプリキュアたちがこれまで熱戦を繰り広げてきた悪の三幹部と真正面から対峙する回。悪の皇帝ピエーロが再復活を遂げようと地球に近づくなか、妖精キャンディが不思議な卵の中に閉じこもってしまいます。戸惑うみゆきたち。そこへジョーカーに最後通告を受けたウルフルン、アカオーニ、マジョリーナの三幹部がプリキュアに決戦を挑むべく必死の形相で現れます。時折見せたユーモラスな面さえ、この勝負に負ければ消滅するとジョーカーに脅された三人からは微塵も感じられなくなっていました。みゆきたち五人はプリキュアに変身して世界の笑顔を守るため三人と死闘を繰り広げます。三人の気迫のこもった攻撃に圧倒されるハッピーたち。「その力はどこから？」とボロボロになりつつ立ちあがりながらプリキュアたちは三幹部に問います。「私達が何度も味わったあの悔しさ、寂しさ、痛み！」とマジョリーナが口を開きます。「怖がられて、嫌われて」とそれに続くアカオー二。「誰からも相手にされない」とウルフルンが訴えます。童話の悪役である彼らはそれまで虐げられ嫌われ続けたせいですっかり心が荒み何も信じられなくなっていたのです。そんな孤独で本当は純粋な彼らを卑怯なジョーカーは利用していたのでした。「そんなことが・・・」と悲しさから一様に顔を曇らせるプリキュアたち。「私も学校で同じことがあった・・」とつぶやくピース。「あんたらが童話の中で感じたこと、わからないでもない」としみじみ語るサニー。正義感の強いマーチや公正なビューティーも全く同じ気持ちです。プリキュアたちは今まで握りしめていた拳を解き、悲しみに暮れ怒りに打ち震える三人を誠実な瞳で真っ直ぐに見つめるのでした。「あなたたちのことを知ってしまったら、私たちもうどうしていいのかわからない！」とハッピーはウルフルンの攻撃を抗うことなくただ受け続けます。「同情しているつもりか！馬鹿にしやがって」と憤るウルフルン。「馬鹿になんてしてへん！」と真剣な表情で叫ぶサニー。「あなた達の感じた痛みが少しだけ分かったから」とアカオーニが振り下ろす棍棒を受け止めながらピースが語りかけます。マジョリーナの猛攻にひたすら耐えながら「私達は私達の世界の未来を守りたい、だけど、その為にあなた達と戦うのは違うと思います」と三人をひたむきに説得するビューティー、そして同じく一方的に連打されながらも「どうして・・どうしてこんな事になっちゃたの？」と切ない胸の内を目を潤ませて吐露するマーチ。そこには戦闘力の高い伝説の戦士ではなく誰よりも心の優しい五人の女の子の姿がありました。憐れみによる同情ではなく心から共感し、悲しみゆえに過ちを犯してしまった三人の幸せを心から願うプリキュアたちの嘘偽りのない愛。この愛の深さこそが伝説の戦士としてこの五人が選ばれた究極の所以。「私たちは・・あなたたちが感じた嫌な思いを少しでも和らげたい・・どうかその怒りを鎮めて・・・。」止めを刺そうと襲い掛かる三人を目前にして祈りを込めながらハッピーが静かに瞼を閉じたとき奇跡がおきます。慈愛に満ちた表情で佇む巨大なハッピーの温かな手のひらに抱かれる三幹部たち。「私は絵本の中の皆が・・・大好き・・・本当は狼さんも鬼さんも魔女さんも、とっても優しいんだよね。絵本が沢山の夢や希望を与えてくれるのは、皆が居てくれるお陰だもん。ありがとう！」今までかけられたことのない愛情のこもった言葉に癒され涙を流す三人。「良かったら、私と友達になってほしいな・・みんなで一緒に遊ぼう・・きっと楽しいから」と真心を伝え三人を抱きしめるハッピーの光り輝く手のひらで狼と鬼と魔女から邪気が抜けていき、現れたのはメルヘンランドの可愛らしい妖精たち。浄化され本来の愛らしい姿に戻った三人を優しい笑顔で見守るプリキュアの面々。子供のみならず世界中の人々に観てもらいたい、どこまでもハピネスを追求した『スマイルプリキュア！』に相応しい珠玉の一編です。
メーカーによる説明
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| 価格 | — no data | ￥17,800 | — no data | ￥19,800 | ￥3,682 | ￥3,419 |
| 製品仕様 | DVD | Blu-ray | DVD | Blu-ray | DVD | DVD |
| 発売日 | 2012/6/22 | 2013/2/27 | 2012/7/25 | 2013/4/26 | 2012/8/24 | 2012/9/21 |
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| 価格 | ￥2,417 | — no data | ￥3,682 | — no data | ￥3,780 | — no data |
| 製品仕様 | DVD | DVD | DVD | DVD | DVD | DVD |
| 発売日 | 2012/10/26 | 2012/11/28 | 2012/12/26 | 2013/1/25 | 2013/2/27 | 2013/2/27 |
スマイルプリキュア！DVD Vol.11
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| 価格 | — no data | ￥3,682 | — no data | — no data | — no data |
| 製品仕様 | DVD | DVD | DVD | DVD | DVD |
| 発売日 | 2013/3/27 | 2013/3/27 | 2013/4/26 | 2013/4/26 | 2013/5/29 |
