花輪 和一 作品
公開日:2000.02.06
更新日:2004.09.17
■あらすじ
私は小さな一寸法師。宇宙を旅していたのですが、目の前に緑の見渡すかぎりの広大な壁が現れたのです。私はこの壁に行く手を阻まれ、旅を続けることが不可能になってしまいました。私が船外に出てみると、そこには幾多の宇宙船が、寂しげに墓標となって壁に刺さっているのが見えました。
その時、頭上に趙のような羽を持った人間が現れたのです。彼女らは、宇宙の果てに住む妖精達でした。私の目の前で彼女らは、仲間の一人を捕まえようとしていました。それは、壁の向こう側にいる、乱暴な大王に生け贄にするためだったのです。
見かねた私は、この哀れな生け贄を救うことにしました。ザイル一方を壁にいる妖精に預け、もう片方を自分の体に結びつけました。そして、生け贄となる妖精のアナポコに入っていったのです。体内に私を収めた妖精は、そのまま大王の世界に通じる壁の穴に投げ込まれました・・・
■解説
耽美系というジャンルを確立した花輪和一氏の作品。花輪氏は1970年代、ガロなどで活躍されたマンガ家ですが、この雑誌にカラー作品を一話読みきり物の連載を描いていました。この作品はその連載のひとつです。この作品がどの単行本に収録されているのかは未確認です。もし、情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。
花輪氏の作品には、怪しい雰囲気が漂うものが多いのですが、他の作品と同様、この作品も怪しい雰囲気を持っています。4ページの短編ですが、この作品の出来栄えはすばらしく、1コマが丁寧に仕上げられており読みごたえは十分にあると思います。
成人向け雑誌の掲載ですし、話の展開はかなりスケベではあります。しかし直接的なシーンは非常に曖昧に描かれておりますので、そういった期待を込めてこの作品を読むと期待外れに終わるでしょう。
■男のゲキジョー 《1979年10月号》
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