ゆうかい星人をやっつけろ!
河崎実 監督作品
公開日:2001.09.10
更新日:2004.09.17
■あらすじ
街のあちらこちらで発生する少年少女誘拐事件。次々と誘拐される子供たち。一体子供たちはどこに連れて行かれたのか・・・
この事態を重く見たモリタニ参謀は、地球防衛隊トビヤマ隊長に誘拐事件の捜査を行うように命じた。イコ隊員は、ニイツ隊員と早速公園から捜査することにした。
イコ隊員たちは、手始めに公園に向かった。するとなんと、その公園で誘拐を企てていた男がいたのだ。言葉巧みに子供を連れ出そうとする誘拐犯。それを見たイコ隊員は、誘拐を阻止するために誘拐犯の前に立ちはだかった。誘拐犯の男は観念したかのように見えたが、男はクマのぬいぐるみに変身。変身した男は突如身軽に逃げ回り、イコ隊員たちは振りきられてしまったのだった。
「なんで誘拐犯はクマのぬいぐるみに変身したのでしょう?」イコ隊員は隊長に報告しながらも、疑問に思っていた。
やがて誘拐犯たちの正体が宇宙人で、子供たちに警戒されないようにぬいぐるみの姿で行動していたことを突き止めたイコ隊員。その拠点が遊園地にあるとこも判り、単身敵の基地に乗り込んで子供たちを救い出そうと試みた。ところが宇宙人たちに救出の試みを見破られてしまった。
イコ隊員の救出劇を阻止させるため、宇宙人たちは子供たちのエネルギーを使ってパンダのぬいぐるみを巨大化させた。宇宙人の企みは成功するかのように思えたそのとき、イコ隊員が叫んだ。
「イコ! ジャイアント!!」
巨大化したパンダのぬいぐるみを押さえ込むために、お願いパワーでイコ隊員も巨大化したのだ。形勢逆転した。イコジャイアントが巨大パンダぬいぐるみを押さえつけるのは、時間の問題だ。ところが、イコ隊員優勢と見た宇宙人たちは、今度は卑劣にも子供の一人を人質にしたのだった・・・
■解説
当時、衆院議員で文部省政務次官であった森田健作氏(2001年9月現在衆議院議員文部科学大臣政務次官)のプロデュース作品として、この作品は生まれました。幼児向け防犯ビデオとして制作された作品だけあって、随所に誘拐犯の手口やその対策が示されています。ですからイコちゃんシリーズの突拍子もないストーリーとはひと味違い、おとなしい感じの構成になっています。そうした中であっても、河崎実氏の監督ぶりは発揮され、とにかく可愛い少女が特撮セットの中で活躍します。そして見逃せないのが、クライマックスに巨大化するイコちゃんです。
特撮に使われたセットは比較的こぢんまりとしていますが、その分丁寧に作られ、電線なども全てきちんと張り巡らされています。その電線のお陰で、画面の遠近感が強調され、イコちゃんの巨大ぶりが良く表現されました。このあたりの演出は、河崎氏の十八番といえます。
また、ただ暴れ回るだけでなく、イコちゃんが足下を気遣うように覗き込むエピソードを入れ、構図的に変化を狙うあたりも巨人の巨大感表現を助けています。当然ストーリーの盛り上げに一役買っていることは言うまでもありません。
この作品が、当初の目的を果たしていることはもちろんです。それに加え、巨大ヒロイン物の一角を占めたことも間違いありません。
■地球防衛少女イコちゃん「ゆうかい星人をやっつけろ!」
[img]
[ 前の作品 ]
[ 作品リストに戻る ]
[ 次の作品 ]
ライブラリで紹介した作品の検索ができます