雑誌「キャンディータイム」より
鈴好明 作品
公開日:2000.02.02
更新日:2004.09.17
■あらすじ
「隆くん、あいかわらずねー。」
隆がフィギュア(人形)を完成させたとき、暗やみの中から見守る影があった。その影は隆が夜食を買いに出た隙に、隆の作った人形に乗り移ったのだった…
やがて家に戻った隆が、自分の作った作品である人形をよく見ようと手をかけたとき突然
「えっち!」
と、人形が叫んだのだ。自分の作り出した人形が動き話すのを見て、驚きを隠せない隆。実は、隆の人形に乗り移ったのは、隆の中学生のころのガールフレンド吉川萌だった。
しかし困った。萌の乗り移った人形は、明日までに完成させなければならないものだったのだ。萌の乗り移った人形を提出するわけにもいかず、隆は焦るばかり。萌のことなど気にしている余裕はなかった。
再び人形の制作に取りかかり、提出用の人形を完成させると、隆は疲れ果ててそのまま机に伏して寝てしまった。
ひとりにされた萌。隆の小指をみながら、服を脱ぎ始めた・・・
■解説
初出掲載誌がアダルト誌であるため、話の展開上、強引にえっちシーンに突入してしまいます。もちろん普通にすることができないので、本番はありません。そのあたりがかえって妙にエロティックでもあります。
人形に魂の入る話は、そんなに珍しくありません。しかしそのほとんどは、ホラーです。大抵は強い念や思いが霊魂となって人形に宿るという話です。この作品は、そうした部分を端折って明るく楽しくエッチしてしまいます。暗い部分にエロスを感じさせるような作品ではなく、異色ラブコメをさらりと楽しませるというところに徹底した作品です。人形を扱いながらも、あまりネガティブな感じのない珍しい作品だとも言えます。
■恋するめばえ
[img]■キャンディータイム 5月号(1990 MAY.)
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