原題:ATTACK OF THE 50FT. WOMAN
Nathan Hertz 監督作品
公開日:1999.05.01
更新日:2004.09.17
■あらすじ
多額の遺産を継いだナンシー・アーチャーには、悩みがあった。夫のハリーは自分の財産目当てに結婚した上に浮気ばっかりしていたのだ。
ある日、車で出かけたナンシーの目の前に、巨大な球形のUFOが現れる。UFOの中から巨人が出てきてナンシーを襲った。かろうじて逃げ出したナンシー。しかし夫に話しても信用されず、夫にいわれたように体を休めたナンシーだが、彼女の体に変化が現れた。彼女の体は、彼女の部屋いっぱいになるほど巨大化した。
そんなナンシーを家において街に遊びに行く夫ハリー。やがてナンシーはハリーを追いかけて街に向かった。家の屋根を押し壊すような巨人を誰が止めることが出来るだろう。ナンシーに付き添っていた医者らは、ただぼう然と眺めるだけだった。
小さな田舎町の夜は静かだった。車の中で愛をささやきあう二人が見たものは、怒りに燃えたナンシーの姿だった。それはとても大きく圧倒的だった。静かに逃げ出す二人を横目で、ホテルの窓を壊し手を入れるナンシー。しかし、ハリーを見つけることは出来なかった。
ナンシーはサロンへと向かった。サロンの入り口に手を入れたものの、保安官助手の拳銃を奪った夫ハリーに手を撃たれてしまう。ナンシーはサロンの屋根をはがし、直接自分の目で夫を確認し、そしてハリーをわしづかみにした。
■解説
現在この映画自身が、巨大女性を扱った映画やストーリーの象徴的な存在になっていることは明らかです。
巨人の女が主人公の話は、神話やおとぎ話の中に数多く見つけることができるので、この映画が巨大女性を初めて扱った作品ではありません。しかし、映像として見せつけられた時、そのインパクトは非常に大きかったにちがいありません。この映画を紹介するときGiantessという言葉抜きで紹介することが出来ないくらい、Giantess具象化の象徴となっています。GiantessとはGiantの女性形です。Giantess動画映像の原点が、この映画です。
この映画は、巨人獣にインスパイアされて作られたもので、怪物として変化した人間が街を人を襲い恐怖を描いた作品です。ですからこの映画はホラー映画です。ホラー映画やSF映画のほとんどが、そのオリジナリティを競うような形で作られてきました。特にホラー映画は新しい恐怖を創作して提供してきました。その中にあって巨大女性のもつ意味は何だったのでしょう。
巨人の前では建物はおもちゃのように、人間は人形のように扱われます。そう、まるで自由を奪われおもちゃにされるような感覚が恐怖という形で襲ってきます。普通なら力では男性にかなわない女性。そんな女性が巨人として現れ、男をわしづかみにして連れ去る。元がかよわい女性だけに、力の構図が逆転するところが恐怖をあおります。もっとも今では、女性がかよわい存在だとは言えませんが...
特殊効果について触れておきますと、この映画では合成シーンにシャドウマスクを使っていません。その結果、巨人の宇宙人や巨大女性は透けてしまい、まるで幽霊のようです。
この映画は1993年に、ダリル・ハンナ氏の手によってリメイク版が制作されています。
この映画についてはコラム記事「愛すべき巨大女」にも書きましたので、そちらの方も読んでいただければと思います。
ところで、監督の監督のネイザン・ハーツは、地球へ2000万マイル(日本未公開)やシンバッド七回目の航海で知られるネイザン・ジュランの別名で、同一人物です。
■妖怪巨大女
[img]■Attack Of The 50 Foot Woman(DVD)
[img]■ATTACK OF THE 50FT. WOMAN(VHS)
[img]
[ 前の作品 ]
[ 作品リストに戻る ]
[ 次の作品 ]
ライブラリで紹介した作品の検索ができます