第5話 ガリバー
岡崎二郎 作品
公開日:2007.01.14
更新日:2007.01.14
■物語
私の名前は星鳥美智代。広告代理店のデザイナーになって2年が経ちましたが、気が弱いので上司の意見に流されっぱなしです。
そんな気の弱さをカウンセリングの先生に相談した所、開発中の医薬部外品を試してみないかと勧められました。その名は「ガリバー」。気の弱さを克服して自信を取り戻す薬なんだそうだ。
ところが薬を服用し始めてから、毎晩のように夢に小人が出て来るようになりました。その上、私を攻撃するのです。小人達の顔には見覚えのある会社の人たちも混じっています。
そんなある日、小人たちは夢だけでなく、現実にまで現れたのです。幻覚かもしれませんが、風呂場で小人達どうしが戦争をしているのです。巻き込まれた私は、平社員に良く似た小人たちに加勢しました・・・
■解説
気の弱い人や新入社員は、会社組織で他の意見に押し流されることが多いものです。まして上司に対して、はっきりと自分の意志を伝えられなくなるのは良くあることです。正しいと思う自分の意志を伝えられないのは精神的なストレスになります。そういったストレスの原因が小人達となって現れます。
ストレスの原因が小人達となって現れるというアディアは他に類を見ない秀逸なものです。今回の物語に小人として登場するのが、会社の上司だけでなく同僚も含まれているところなども見所のひとつで、細かい所も注意深く読むと新しい発見をすることができるでしょう。一見ひねりのない物語のように見せて緻密に計算された構成は、岡崎二郎作品の真骨頂です。その緻密な設定は物語のみならず、登場する人物像まで及びます。注意深く選ばれた登場人物達の演技も細かく、短い物語ながら読むたびに新しい発見ができる漫画作品です。
■アフター0 第4巻
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