泉昌之 作品
公開日:2000.03.19
更新日:2004.09.17
■あらすじ
「結局、レゲが体によう合うとるんやなあ」 |
「やっぱ、チャゲ&飛鳥がしっくりくるんだよね、僕の場合」 |
レゲのスコーンと抜けるような曲に、身をまかせ始めたその時、隣の男の部屋から暗い音楽が聞こえてきた。その暗さをはねのけようと、踊りだしたその時、足もとの飲みかけの酒をこぼしてしまった。 |
しみじみと考えながら僕は、チャゲ&飛鳥のレコードを手にとり、そしてプレーヤーにのせた。やがて流れるメロディに耳を傾け始めたその時、隣のインドかぶれの男が住む部屋から変な音楽が聞こえ始めた。 |
「換気だ、換気だ」 |
「隣の音、耳ざわりだなあ」 |
「あ!」 |
「あ!」 |
気を取り直して日本酒を飲み始めたが、どうにも隣の音がしょうがない。 となりもボリュームを上げたな、それなら… |
気を取り直してウイスキーを飲み始めたが、どうにも隣の音がしょうがない。 となりもボリュームを上げたな、それなら… |
「もう我慢できねェ」 普段から気にくわないことの連続だった俺は、最後の手段をとった。 |
「あの野郎もう許せん!!」 普段から気にくわないことの連続だった俺は、最後の手段をとった。 |
俺はやつの姿を見て・・・ |
俺は野郎の姿を見て・・・ |
■解説
この作品は、円谷プロからクレームのついて問題作です。何が問題になったかは、ご紹介しました作品中のコマを見ていただければお分かりになると思います。作品中には一言も「ウルトラマン」とか「ウルトラセブン」という言葉は出てきません。しかし、これは誰が見てもウルトラマンでありウルトラセブンなのです。そして、ウルトラマン、ウルトラセブンの著作権は円谷プロダクションが持っています。
円谷プロダクションは、作品の持つイメージを非常に大事にしています。そしてこの作品は、正義の味方のイメージを逆手にとったパロディで、当然そこには著作権者の意図していないイメージ、大幅に改変されたイメージが具象化されています。プ円谷ロダクションは当然のことながら抗議し、そしてこの作品が日の目を見るようになるには、ウルトラマン、ウルトラセブンの著作権が失効したときになるでしょう。
この単行本には表題作の他に、セブンがデートをする「ウルトラデート」という作品があります。作品のラストにある、巨大化したままデートの待ち合わせ場所に行ったセブンが絵的に面白いので、もしこの本を手に取られたなら併せて読まれることをお勧めいたします。こちらの方が問題作かもしれません。
さてこの作品、紹介しても大丈夫なのでしょうか…
■感情的
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