清水長次郎 作品
公開日:2000.04.14
更新日:2004.09.17
■あらすじ
198X年。世界制覇をもくろむ悪の秘密結社C.G団が活動を開始した。国際地球防衛機関I.L.M.は、その侵略兵器に対抗すべく超合成細胞ウルトラ・ファイニセルZを開発。無敵のスーパー兵器を建造したのである。
その名もキョジンダー
渡辺宙子(ミチコ)は苦戦していた。C.G団の日本支局長バロン・クリーチーは、なかなか手ごわく、巨大怪獣を引き連れてI.L.M.の戦闘員をことごとく破ってしまったのだ。そして、いまやミチコだけがI.L.M.の戦闘員としてバロンに対峙していた。しかし、それもこれまでである…
その時、ミチコはキョジンダーを呼び寄せたのだった・・・
■解説
この話に登場する巨人は生身の人間とは言難いと思います。そうした意味で当サイトの趣旨からは微妙に外れているようにも思えます。しまし、紹介するに値すると考えました。
死んだ人間を巨大化させ、怪獣と戦わせようという発想は面白いと思います。ゾンビが全面に出てくるので嫌だという方もいらっしゃることでしょう。それでも作品としての価値はあります。
死体を集合体として組成することができれば、巨人を作りだすことが出来ます。単純にたし算の考え方です。実際には、その骨や筋肉の強度を考えると、そのまま死体を使って作り上げても立つこともできず、もしかすると横たわることすらまともにできないような弱い体になってしまいます。しかしそのままの組成でないとしたら、人間を薬や機械によって巨大化させるよりも現実的な方法なのかもしれません。
もっともこの作品は、死体を集めて巨人を作る話としてまとめるつもりはないのです。そしてこのようなアイディアは、珍しいとはいえ他にも見ることが出来ます。そうした他の話があるからこそ、パロディとして成り立つ作品なのです。この作品の目的は、ゾンビを口実にした巨大ロボットもののパロディであるからです。
ゾンビ化は、それだけでも死体を冒涜するともいえるものでしょう。それに輪をかけて、ゾンビをロボット化して自由に操ろうというのです。まじめに考えたら不謹慎きわまりない話ですが、それこそがパロディの真骨頂なのだとも言えます。大いに笑ってあげましょう。
■関連作品
ところで、この作品には続編があります。同誌のVol.14号に掲載された作品、「戦え!キョジンダーA」になります。こちらは意志を持った女性を甦らせロボット化する話です。もちろん巨人として甦ります。
■ペパーミント・コミック Vol.12
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