アタック・オブ・ザ・ジャイアントウーマン

原題:Attack of the 60foot Centerfold

Fred Olen Ray 監督作品

あらすじ

センターフォールド誌のオーディションも間近に迫り、グラビアモデルの間では、合格したいがために刺のある会話が交わされるようになった。そんな中、モデルのエンジェルは、他のモデルから胸の大きさをなじられたことで、コンプレックスを感じてしまう。なじられたことを気にしてエンジェルは、医者に相談しに行ったのだった。

エンジェルが相談しに行ったのは、美貌促進剤を開発した医者の病院。医者は危険が伴うと最初は拒んだものの、エンジェルの熱意に折れ、新薬を処方したのだった。

週末エンジェルたちはセンターフォールド誌のオーナーの別荘に招待された。最初、新薬の作用に喜んでいたエンジェルだったが、やがて副作用のせいか顔に皴があらわれる。医者に1回1瓶と言われていたのにもかかわらず、数本を一度に服用しまったのだった。

明くる日、浜辺で撮影している時、突然倒れてしまったエンジェル。スタッフが応援を呼びに行っている間、彼女の体には美貌とは別の変化が現れる。やがて戻ってきたスタッフが見たものは、巨大になったエンジェルの姿だった。

巨大になったエンジェル。急激に巨大になった不安で一杯。しかしそういた彼女の不安を逆に利用して、雑誌の売り込みにエンジェルを使おうともくろむオーナーたち。さらには、彼女に内緒で軍の実験にも売り飛ばそうと企む始末。一方巨大になったことに、徐々に慣れてきたエンジェル。こっそりと隠れ家から抜け出したりもして、巨人の生活を楽しもうとしていた。しかし彼女のライバルは、これを面白く思ってはいなかったのだ。そして…

解説

この作品は巨大生物もの作品のパロディですが、制作者の入れ込みようが伝わるところから、オマージュであると言っても良いでしょう。とにかく至る所に巨大生物もののパロディがちりばめられていいます。こうしたパロディものは、制作者が入れ込むほどに観客は引いてしまうものですが、展開のテンポの良さとコメディタッチということもあり楽しめる作品になっています。この映画もいずれ巨大生物の世界に組み入れられて、パロディの対象になることでしょう。

物語の基本ラインは一貫して映画作品「ゴッドフード」を下敷きにした構成になっています。巨大ネズミの扱い方などは、ゴッドフードそのものと言っても良いでしょう。そのため、これほど多くの巨人映画をパロディとして詰め込みながらも、意外にも物語はきちんとしています。

例えば、トラックの扉に残された巨大な指紋は「巨人獣」のパロディ。もちろん「ジャイアント・ウーマン」それから「The 30 Foot Bride of Candy Rock」のパロディもあれば、巨大女性映画の総本山的映画「妖怪巨大女」のパロディもあります。忘れてはならない「Village of The Giants」もちゃんと入っています。その他いったいどれほどの映画が盛り込まれているのでしょうか。すべて判ったのでしたら、称賛に値します。

制作の動機ですが、興行的な所にはなく実は右のようなシーンを撮りたいがために製作したのかも知れないと思えてなりません。何度見ても、妙に浮いたこの映像。間違いありません。

この作品はコラム記事「愛すべき巨大女」でも紹介しています。そちらも読んでいただければと思います。

Published : 1999.06.11
Update : 2007.01.11

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