戦慄!プルトニウム人間

原題:THE AMAZING COLOSSAL MAN

Bert I. Gordon 監督作品

あらすじ

新型プルトニウム爆弾の実験場に小型飛行機が墜落したのは、核実験がまさに始まろうとしていたときだった。マニング大佐は壕から飛び出して助けようとしたが、そのとき核爆弾のせん光が。かろうじて助かったマニングは、病院に収容された。病院に収容されたマニングは、放射能を浴びたためか体に異常が発生していた。

キャロルに成長することの恐怖を訴えるマニング

恋人のキャロルはマニングの収容された病院に向かったが、面会は許されなかった。マニングが米軍の施設に移送されたのを知り、キャロルは施設に侵入を試みる。そこではじめてマニングの体に起きた恐ろしい事実を知ることになる。

放射線を浴びたマニングは、異常な速度で体が大きくなっているのだった。やがて普通の建物に収まらなくなったマニングは、サーカスで使うテントを利用して生活するようになる。やがて、身長60フィートの巨人となっていった。

当初は人間らしく振る舞っていたが、人々から人間扱いされず、迫害され続けるうちに人間性を失っていくマニング。さらに彼に追い打ちのように新しい事実が発見される。彼の心臓は体の成長についていっておらず、このまま成長を続けることは死を意味することであった。

悲観したマニングは施設を出てラスベガスに向かった・・・

解説

ゴードン監督の十八番、巨大化モノのひとつ。このあと続編として「巨人獣」が制作され、巨大化モノ映画の先駆的な作品として残ることになる。

公開当時は、原水爆実験が数多く行われ事故も発生していた。大量の原水爆が製作され世論の関心が原水爆に集まる中、こうした関心をくすぐる映画が多く作られた。放射能が生物に与える影響を調査するため、被爆実験が繰り返される中、植物の巨大化が取り上げられることも多かった。こうした 背景がこの映画にはある。プルトニウムによる被爆から巨大化する人間。人間の尊厳をテーマに核兵器への恐怖から製作されたホラー映画である。核エネルギー利用をテーマとしたSF小説も多かったことから、この映画はSFに分類されるが、SFと呼ぶには非常に疑問が残る。

いずれにせよ、この映画をはじめ、数多くの巨大生物映画を製作したゴードンという人には頭が下がります。

Published : 1999.07.02
Update : 2004.09.17

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