みにちゅあ

玉越博幸 作品

あらすじ

高校生のミキオとマリコは隣同士の幼馴染み。お互い気になってしょうがない仲なのに、顔を合わすとつい、相手の悪口が出てしまう。

そんなある朝、突然ミキオの体が小さくなってしまったのだ。驚いたミキオは思わず家の外に出てしまうが、小さなミキオにとって外は危険だらけだった。猫に追いかけられ逃げた先にマリコがいた。

マリコに助けてもらったミキオ。最初はミキオの小ささに驚いたマリコだったが、あまりに小さなミキオの可愛さに次第に驚きと緊張もほぐれていった。一緒に食べたり遊んだり、そしてお風呂にも一緒にと入るうちに、二人の間の垣根は急速に消えていった。

しかし今さらのように、マリコのことが好きだと気がついたミキオは、体格の差に愕然とする。目の前にいるのに何もできない自分に耐ええられなくなって家出してしまうが・・・

解説

玉越博幸氏お得意の恋愛ものです。以前紹介させていただいた作品「ちょ〜巨大17歳・カレン」では少女が巨大化しましたが、今度は少年が小さくなってしまいます。どちらの作品も少年にとって巨大な少女であることに変わりありませんが、読み比べてみると大きな違いを感じます。

巨大少女のときには、特別な存在となった少女が、相手に自分がどのように思われているかが気になる様子が描かれています。この作品では少年が主人公ですので少女の心理描写は少ないのですが、比較のために少女の行動に注目しますと、少年が小さくなったときの少女は、小さくなった少年に対して開放的に振る舞っていることが判ります。

一方少年の側からは、巨大な少女に翻弄されるところは似ていますが、小さくなった少年は巨大な少女に接近する機会となる点が少女の巨大化のときと大きく異なります。

作品みどころ

胸のポケットに入れられてしまうところは、うらやましい限りです。が、これは単なる肉体的な接近の描写といことだけではありません。

近くに住んでいながらも、成長とともに互いのことを良く見る機会を失っていった二人。特にミキオには、マリコより背が低いというコンプレックスもあります。そんなミキオが知っているつもりだったマリコのことを実は良く知らなかった自分に気がついていくシーン。それがマリコの胸の感触という形で表現されているのです。文字にすると妙に艶かしい描写ですが、この作品はさらりとコミカルに描いています。

普通ならエッチなシーンが、小さなミキオによってコミカルなシーンに変化しているのは確かです。しかしエッチなシーンほどコミカルになる描写こそ、玉越氏の真骨頂なのです。この作品もそうした魅力的な表現で埋まっているばかりか、以前の玉越氏の作品に比べて構成が緻密になってきています。今後の作品に期待させてくれる作家のひとりであることに間違いありません。

Published : 2006.11.09
Update : 2008.05.08

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