カンガルーチルドレン

単行本「ママさんバニー」より

きゃらめる堂 作品

あらすじ

気がつくとボクは、あこがれのいずみ先生の「胸の谷間」にいた。そしてそのボクを巨大な女の子たちが覗き込んでいた。

「きゃーっ! 先生の子? かわいいー!」

その巨大な女の子たちはボクのクラスメートたちだった。どうも彼女たちが巨大になったのではなく、ボクが小さくなって先生の胸に収まっているようだ。

先生は彼女たちにボクことを渡し、彼女たちは交代にボクのことを胸の谷間に収めるのだった。彼女たちがあまりに乱暴にボクのことを扱うので、ボクは苦しくなって文句を言おうとした。ところがボクの声は言葉にならない。まるで赤ん坊が叫んでいるようにしかならなかった。そんな様子を先生は見て、彼女たちを軽くいさめると、ボクを胸の谷間に収めたまま授業を始めたのだった。

授業の間、どうしてこんなことになったか考えていたが、どうしても判らなかった。そのうち、おしっこがしたくなってきたのだった。がまんできそうもないボクは、先生に訴えたが、さっきと同じように言葉にならないため、先生にそれが伝わらなかった。ボクはとうとう先生の胸の谷間で漏らしてしまった・・・

解説

カンガルーチルドレンとは、うまいタイトルですね。えっ?複数形になっているって? まあいいじゃないですか…きっとそれは読者であるあなたも数に入っているんですよ。

さて夢の中に出てくる巨人は、母親の象徴だと言われています。それはまさしく、この作品のイメージです。生まれたばかりの子供にとって、この世の中は巨人たちの世界です。圧倒される力、しかしその力で優しく抱き上げてくれるのが母親であるわけです。それを夢みた少年の話といったところでしょうか。

あこがれの感情の中に母親への甘え願望が重なり、それがみごとに作品の中で出されています。そうした欲望がこの作品でにおいては、いつしか性への憧れとすり替わっていきます。成年指定雑誌に掲載された作品ですので、そのあたりは濃密に描かれています。それは、先生と生徒の関係であり、男と女の関係であり、年上の女性との関係であり、母親と子供の関係なのです。実に甘美な描写です。

きゃらめる堂氏の他の作品

きゃらめる堂氏の作品でライブラリにて、現在紹介している作品には下記のものがあります。併せて参考にしてください。

Published : 2000.09.27
Update : 2004.09.17

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