3000年の春

短編集「3000年の春」より

松本零士 作品

あらすじ

敷居と島崎は小人たちに捕まってしまった夜、敷居は家路を急いでいた。その時、背後から足音が近づいてきた。なにか気味が悪くなって逃げ出そうとしたその時、女の声が敷居を呼び止めた。

女は、蓋の開いていたマンホールの中に大事なものを落としたのだという。困っている女を見捨てることも出来ず、敷居は女の代りにマンホールの中に降りていった。すると、女もついてきたのだ。しかも、女は足を滑らせ、2人はマンホールの底に落ちてしまった。

2人が気がついたとき、頭上のマンホールの口からは光が漏れていた。マンホールから出てみると、そこは見慣れた街があるはずだったが、敷居らの見たものは少し違っていた。手のひらにでも乗りそうな小さな女がいたのだ。敷居は再びマンホールの中を降りて、別の出口を探した。

別のマンホールから顔を出すと、そこには見慣れた街があったがおかしなことに街全体を鍾乳洞のようなものが覆っていたのだ。

女は島崎と名乗った。2人は他にすることもなく、手近な部屋でセックスにふけった。そのとき小さな宇宙船のような乗り物が、2人を襲ってきた。そして2人を眠らせると、部屋から連れ去った。

解説

男はぶさいく、女は美人。松本零士氏らしい作品です。

松本氏の描くSFは、妙なとこにこだわりがある。必ずといって良いほど畳の部屋が出てくる。宇宙船の中にあったりするのだ。この作品ではアパートの部屋として出てくるので不自然ではないけれど、その畳の部屋に小さな探査艇が進入してくる所は何だか奇妙な雰囲気がある。

設定に関して言えば、説明が多い割にちょっと無理があるような気がしますがいかがなものでしょう。

Published : 2000.02.05
Update : 2004.09.21

[ Prev page ] [ Category index ] [ Next page ]

You can find the work by a keyword.

Keyword: