アンドロイド・ピニ

単行本「アンドロイド・ピニ」より

桑田次郎 作品

あらすじ 第1話:のびちぢみする女

野村一騎は宇宙タイムスの新聞記者だ。ある日光る物体が空を飛ぶのを見た。しかし、そんなことは記事に書くことなどできなかった。書いても誰も信じないだろうし、新聞記者としてそんなことを書けば業界の笑い者だ。しかし野村は編集長には話したのだった。

それをきいた編集長は、野村に休暇を押し付けた。彼が精神的に疲れていると考えたからだ。野村は早速温泉旅行に出かけたが、ここでも空を横切る光見たのだった。しかも、こんどは裸の女性まで現れた。

彼女はピニと名乗った。ミラク星人に作られたアンドロイドで、脱獄した犯罪者を捕まえるため、地球での活動に便利なように設計されているという。ピニは非常に人間そっくりに作られていたが、生殖器はつけられていなかった。ちょっと残念に思った野村だったが、ピニの純真な性格に少しづつ惹かれていった。

ピニには変わった能力が2つあった。ひとつは自動車に変身できること。もうひとつは大きくなったり小さくなったりできることだった。ピニの能力を使って、野村はやがてミラク星人と対決することになるのだった。

あらすじ 第2話:ころ死体

ミラク星の犯罪者による事件が解決した後も、ピニは野村のところにいた。ピニの新しい任務は地球を調査してミラク星に報告することだった。

いつものように野村が新聞社に出社すると、編集長が難題を押し付けてきた。荒月新也のところに行って、挿絵の依頼を取りつけてこいという。

なぜ難題なのか。

それは荒月の性格にあった。荒月は人嫌いなところがあって、偏屈な画家として有名なのだった。難題をふっかけられて悩む野村を見たアコがついていくと言い出した。野村は決心して、アコを連れてピニの変身した車に乗って荒月のところへと出かけた。

あらすじ 第3話:ケシマス業

野村のところを去ったピニ。ピニの目的は地球人について調査することにあった。

あるきっかけからピニは、殺人の請け負い業者の仲間になってしまう。取り仕切っていたのは女で、夫2人を使って殺人を請け負っていた。

殺人計画を実行しようとピニを連れていったが、これは失敗だった。女首領が走っている車の前に飛び出し、車を止める手はずだったが、ピニが巨大化して女首領を助けたために失敗してしまった。ピニは命を助けるようプログラムされていたのだ。果たしてピニの目の前で、殺人計画を達成することは出来るのだろうか・・・

解説

桑田次郎氏は、エイトマンをはじめ多数のSF漫画を手がけていることで有名です。アンドロイド・ピニは、その中の一作で、桑田氏らしいサスペンスとSF融合した作品です。

クールですね今見ても。桑田氏の描くキャラクターは実にクールです。話の背景や進行に時代を感じますが、キャラクターの性格が今風で、桑田氏のセンスが感じられます。エイトマンではあまりお色気シーンがないのであまり知られていませんが、桑田氏の漫画作品には色気を感じさせるシーンが結構あります。この作品でそうした桑田氏の作品の魅力が全て味わうことができます。

ここで紹介した単行本は再編集されたものです。オリジナルの本は、変形サイズの物であったと記憶しています。コマ割りに違和感があるのは、その為だと思います。

Published : 2000.02.05
Update : 2004.09.17

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