ミクロの決死隊

宇宙長屋 より

石川賢 作品

あらすじ

年がら年中、夫婦喧嘩の絶えない熊さん一家。壁に穴あけりゃ空気とともに外に吸い出されちまう危険な長屋暮らし。長屋といっちゃ平凡だが、この7MQG(なめくじ)長屋は只の長屋じゃない。宇宙時代の宇宙に浮かぶ長屋なのだ。


ある日、天の川のほとりを通りがかった熊さん達。知り合いの夜鷹のお花はんの様子がおかしいことに気づいて長山で連れ帰った。お花はんの体を調べた結果、ミクロサイズのインベーダーが、お花はんの大事な所に基地を建設していることが判ったのだ。

お花はんの大事な所で侵略の準備を進めるミクロ帝国。薬で退治できる相手ではない。お花はんを救う唯一の方法は、ミクロ化した人間がミクロ帝国の基地を破壊するしかないのだ。

ミクロ化していられる時間は1時間。熊さん達は、ミクロの戦士となってお花はんの大事な所から体の中へと進んでいったのだった・・・

(c) 石川 賢

解説

ダイナミックプロを代表する作家らしい作品です。

エロ、バイオレンス、ファンタジー、ギャグ、パロディ、落語・・・考えられるだけのテーマとジャンルを詰め込んだ非常に欲張りな物語です。ただ単に欲張りになった訳ではありません。メディアに対する圧力、特に漫画に批判的な圧力に屈しない姿勢が、常に石川賢氏の作品にはあります。この作品もそうした石川氏の想いのほどが感じられる作品のひとつです。

この作品が発表された1979年は、前年に映画スターウォーズの初公開(エピソード4)がされた年で、多くの漫画が影響を受けた時期でした。このエピソードもそうした影響下にあった物語で、パロディのベースはミクロの決死圏でありながら登場するメカやキャラクターはスターウォーズのパロディになっています。

Published : 2006.11.26
Update : 2006.11.26

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