ファンタジ−

単行本「少女の絵日記」より

羽中ルイ作品

あらすじ

少年は全裸で森の中を彷徨っていた。なぜこんな所を彷徨うのか少年にも訳は判らなかった。彷徨い歩くうち、1本の木が目にとまった。

その木は、途中で二股になっている。まるで女性の下半身が逆さになっているようだ。それはまさに女性の下半身と変わらなかった。そして、いつしか少女に変身したその木の根元に、少年は飲み込まれていった。

柔らかな狭いトンネルをトンネルの壁に押されるようにして奥へと進んでいった。やがてトンネルから押し出された少年は、そのトンネルを見て唖然とした。少年が今いるのは、巨大な少女の股の間。そして少年は、巨大な少女の体から押し出されたのだったのだから。

そして、少年は自分の世界に戻るため・・・

解説

羽中ルイがこの作品を発表した当時は、羽中ルイの一番脂がのった時期でした。全盛期は人気アダルト漫画家の一人で、今でも根強いファンに支えられている作家です。デビュー当時は少女を扱う作品が少なかった中、幼い性欲求を取り上げて色々と話題を提供してくれました。リアルな物語をパースのきいた凝った構図で表現する作風が特徴です。

巨大な少女と格闘する少年は、さながら、思うように実らす事のできない性的な興味に悩む少年のようです。性的な興味を満たしたいと思う一方で、好きな女性に子供扱いされてる年頃の少年です。身近でありながら謎が多く、同じ歳でありながらあしらわれてしまう、そんな少年の姿がここにあります。大きさの対比で具象化された大人の性。それがこの作品のテーマです。

この作品は羽中ルイの中では異色なものです。ファンタジー世界を扱った作品は片手に収まるほどしかありません。しかし羽中ルイの挑戦的な構図は、挑戦的な物語に実にマッチしています。巨大な指と格闘する少年の姿は、非常にインパクトがあります。一度見たら、なかなか脳裏からはなれなません。そうした意味では、羽中ルイの作風が良く出た作品であるといえます。

(敬称は省略させて頂きました)

Published : 2004.09.16
Update : 2004.09.21

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