人工細菌X

怪獣VOW掲載

科学慎一郎 作品

あらすじ

博士は遂に完成させた。人口細菌X。

それは動物を大きくも小さくも出来る力を持った細菌だった。博士はこの細菌を食糧危機や宇宙移住などの目的のために開発したのだった。しかし完成を喜ぶ博士の目の前にR国の工作員数人が現れたのだった。博士の研究は、R国の興味を引くところであり、完成を心待ちにしていたのは博士だけではなかったのだ。研究所には、以前からR国のスパイが派遣されており、完成の知らせを受けた工作員たちがやってきたということだったのだ。そのスパイとは、博士の信頼していた夕子だったのだ。

しかし夕子はR国を裏切り博士を助けようとしたのだ。そのためR国の工作員の放った細菌銃の光線を浴び、巨大化してしまった。巨人になった夕子は博士を助けるために、R国の工作員たちを踏みつぶし始めたのだった・・・

解説

ムック本巻末のオマケのようなマンガ作品です。しかしおまけといって侮ることはできません。古いSF映画のエッセンスが凝縮され、たった2ページの中に映画1本分のものが詰められた作品です。特にウルトラQなどのシリーズに慣れ親しんだ方には、この作品は例えようの無い味わい深いものを感じることでしょう。

そうした雰囲気を持っている作品ですが、内容はで、博士の下でスパイ活動を続けいた夕子など、そのまさにビッグXから拝借したエピソードです。ただ大きく違うのは、巨大化するのが女性であるという点と、ウルトラQのような大人の香りを放っているところにあります。特にエンディングは、ウルトラQのシリーズにあっても相応しくまとめられています。

たった2ページの中に、巨人となった夕子が社会と相いれない存在であり、そうした状況であっても相思相愛である2人の悲壮感が、見事に漂う超短編作品です。

Published : 2000.03.20
Update : 2004.09.17

[ Prev page ] [ Category index ] [ Next page ]

You can find the work by a keyword.

Keyword: