暗い雨雲の立ちこめるある雨の日。大きな館の薄暗い地下室。そこにはひとりの男が…
「ちがう…ちがう…何故、俺には旨いバラ酒がつくれないんじゃ!」
そのころユーミはお母さんから、親戚のキクヨおばあちゃんのところにお使い物を頼まれていた。めずらしく二つ返事でお使いに行くことを承知したのでした。ユーミが快く雨の日にお使いに行くと言い出したのは、新しい赤いレインコートを着たかったからでした。そして、そのお使いとはバラ酒を届けることだったのです。
国光は、どうしても旨いバラ酒が飲みたくてしょうがない。自分でバラ酒作りに挑戦したものの、満足できるものが作れない。そんな国光が、ふとしたことからお使いに行く途中のユーミを見かけます。そして国光はユーミの持っているのがバラ酒だと知り、それが欲しくなり自分自身を押さえきれなくなってしまったのでした。ユーミの持っているバラ酒を奪うことを決めた国光は、あの手この手でユーミのバラ酒を手に入れようとユーミに迫るのでしたが・・・