マリカの指先に光が宿った。
その光がことのの発端だった。光る指を使ってマリカはテレビの中から、見ているもののイメージが実体化して出てくるのを見た。それを見て、マリカは考えた。ママの写真を使えば、ママが出てくるに違いないと。ママは死んでしまっていたのだった。そして、ママの写真から出てきたのは、生きているころのママではなく死霊と化したママだった。マリカは驚いた拍子にママの写真を落としてしまった。写真が落ちるのと同時にママも消えてしまった。マリカの心には恐怖だけが残った。
父は毎週、娘達を連れて映画に行く習慣があった。今日はその映画に行く日だ。父と姉と出かけたマリカは、ふと見たホラー映画の看板にさっき写真から出てきたママの姿をダブらせていた。そんなマリカを見て、父が勘違いし今日はそのホラー映画を見ることにした。
映画のタイトルは、END OF THE DEAD。
「死霊のかまゆで」だった。